――さて、7月下旬から8月上旬にかけて、5連敗、4連勝、4連敗、4連勝……と極端な成績が続いています。なかなか波に乗り切れない状況をどのように見ていますか?
髙津 おっしゃる通り、なかなか波に乗り切れないというのが現状です。僅差のゲームを拾って勝ち切ることができない。いろいろ手を打っているつもりでも、なかなかうまくハマっていない。それが現状です。でも、そうした中で先ほども名前が出たように哲人や塩見が戻ってきました。オスナの離脱は痛いけれども、それでもみんなで勝利を目指していくしかない。そんな思いです。
――山野投手のプロ初勝利もありました。小澤怜史投手もきちんとローテーションを守って結果も出しています。新外国人のロドリゲス投手も、いきなり好投、初勝利を挙げて、離脱していた吉村貢司郎投手もファームで順調な調整が続いています。少しずつかもしれないですけど、先発投手陣も整備されつつあります。
髙津 シーズン途中から先発転向したにもかかわらず、小澤は本当によく頑張っていると思います。でも、山野に関してはまだ手探りの状態だし、ロドリゲスについても未知数なので、手放しで「ローテーションが整備されたな」という思いは、正直ないですね。先発投手が足りないということは、キャンプのときからわかっていたことなのに、きちんとした対策を打ち出せないまま、そこから半年も経ってしまったということ。もっと早く次の先発ピッチャーを作ることができなかったこと。これは大きな反省です。
――各チーム100試合を経過し、残りおよそ40試合となりました。過酷な日々が続き、選手たちの疲労も蓄積されています。こうした中で、モチベーションを高めたり、もうひと踏ん張りさせたりするためにはどうすればいいでしょう?
髙津 監督の仕事というのは、ときにはしっかりと叱りながら、ときにはおだてながら、状況に応じて、選手に応じて、チームを前に進めていくものだと考えています。だから、きちんと言葉を選びながら、選手たちを勇気づけたり、前進できるためのアドバイスというのか、言葉をしっかりと届けたいと思っています。
――最後に、スワローズファンの方に意気込みをお願いします。
髙津 前回も言いましたけれど、まずは目の前の試合を一つずつしっかりとベストを尽くしていくことに集中します。ここまでは苦しい戦いが続いていますけど、ファンの方に「面白くなってきたぞ」と思ってもらえるような試合をしたいと思います。暑い夏だからこそ、スワローズも熱い戦いをして、上位を目指していきます。引き続き、「応燕」をお願いします!
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