――さて、8月1日、東京ドームのジャイアンツ戦では、支配下に復帰した山野太一投手が2年ぶりの一軍登板で7回無失点、涙のプロ初勝利を挙げました。改めて、この試合を振り返ってください。
髙津 周囲からも大きな期待を受けて、ドラフト2位でプロ入りしました。でも、昨年オフに育成前提ではありましたけど、戦力外通告を受けて、育成選手としていろいろ苦労したと思います。でも、あれだけのピッチングを見せてくれれば、その期間が決して無駄じゃなかったんだ、意味があったんだという思いでした。彼はチームに大きな1勝をもたらしてくれました。本当にナイスピッチングだったと思います。
――7回を投げて、被安打4、無失点という好投でした。ファームでも好投を続けていましたが、ここまでのピッチングはイメージしていましたか?
髙津 もちろん、期待をしてマウンドに送り出しているわけですけど、正直言えば、僕たちの期待以上のピッチングを見せてくれました。全体的に丁寧に投げていたのが印象的でした。ボールは常に低めに集めて、きちんと緩急も使えていました。6連戦最初の試合を任されて、しかも相手はエース・菅野智之選手ですから、本当に大きな1勝だったと思います。
――この試合からは、コンディション不良で離脱していた山田哲人選手もスタメン復帰。ヒットはなかったけれど、山野投手を助ける好守もありました。この日の試合後の監督のコメントも弾んでいるようでした。
髙津 あの日の試合後にも言ったけど、やっぱり哲人がいるといないとでは大きく違いますね。僕の気分的にもそうですし、やっぱり相手も嫌だと思います。彼の場合は、打席での威圧感はもちろんですけど、守備における存在感もとても大きいです。今回が二度目の離脱で、まだ100%の体調じゃないかもしれないですけど、状態を見ながら起用していきたいと思います。
――7月末には塩見泰隆選手も復帰しました。復帰直後はサンタナ選手の離脱もあって三番を任され、8月に入ると「定位置」である一番で、リードオフマンとして活躍しています。彼についてはいかがですか?
髙津 塩見は、勝負強いところがあるので、「ランナーをためて彼に回したい」という思いで、復帰当初は三番を任せました。でも、その後はサンタナも戻ってきたし、打線のバランスを考えて、昨年同様一番に戻しました。彼の場合は、ケガが多いからいろいろ見ながら、注意深く使っていかなきゃいけない。その辺りは、いつも肝に銘じています。