――WBCの激闘から2カ月以上が過ぎました。監督としては主力選手を欠いた状態でキャンプ、オープン戦を戦った上で開幕に臨むことになりました。一方で、高橋奎二投手もなかなか調子が上がらずに1カ月ほど一軍登板がありませんでした。改めて、WBCの影響についてはどう考えますか?
髙津 勝ったから言うわけじゃないですけど、やっぱりWBCはすばらしい大会だったと思います。すばらしい大会で、すばらしい結果でよかったなって思ったのは正直な思いです。ただ、キャンプの途中で主力4人に抜けられて、公式戦の1週間前に帰ってきて、やっぱり当人たちも大変だったと思います。僕としても、やっぱり大変でした。三番、四番がいなくて、正捕手もいなくて、奎二もいないチームですから。オープン戦とはいえ、みんながそろわない中で、開幕を目指して調整していくのはやはり難しかったです。
――答えづらい質問かもしれませんが、現役監督として「WBCの弊害」はあると思いますか?
髙津 そもそも、「弊害はあります」と言ったら、選手たちに申し訳ないです(笑)。それに、主力選手を欠いた状態で開幕を迎えるというのは、他球団も同じ条件ですから。確かに、いろいろ苦しんでいる選手もいますけど、結果として「WBCで世界一になった」ということは、日本のアマチュアを含めた野球界にとってすごいことだと思います。そして、日本に帰ってきて、また仕切り直しをしてレギュラーシーズンを戦う選手の大変さも大きいと思います。だけど、世界一の日本の野球を背負って、世界一のリーグを目指してやっていくこと。それを目指して我々は毎日戦っていく責任というものはあるんじゃないかなと思いますね。
――現在は交流戦の真っただ中です。高橋奎二投手も一軍復帰を果たし、故障者も少しずつ戦線復帰しています。改めて、ファンの方へのメッセージをお願いします。
髙津 連敗期間中、選手たちはみんな口には出さなかったですけども、しんどい、辛い時間を過ごしたと思います。なかなか勝たせてあげられなくて、監督として責任を感じました。ファンの方にもたくさん心配をかけたと思います。でも、こんなことがあるからチーム力も上がっていくんだろうなと考えています。こうやって悔しい思いして、みんな成長する部分もあったはず。まだまだ前向きに戦っていきます。「応燕」、よろしくお願いします!
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