――一進一退が続く中で、青木宣親選手の状態がなかなか上がってきません。それでも、チームを鼓舞する姿が印象的ですが、監督は青木選手についてどう見ていますか?
髙津 確かに、決して数字的には「いい成績だ」とは言えないですね。彼のこれまでの実績を考えたら、現状の成績は決して褒められたものではないと思います。ただ、もがきながらも貪欲に、ひたむきにいろいろなことに挑戦を続けている。今はまだ数字は残せていないですけれども、野球人として大切なものはまだ失われていない。僕の目にはそう映っています。
――4月15日の対横浜DeNAベイスターズ戦では、気合いを入れるべく、丸刈りの坊主頭で試合に臨みました。青木選手の行動に関して、監督はどんな感想を持ちましたか?
髙津 決して、坊主頭にしたことでバッティングの状態が上がるわけではないと思います(笑)。でも、それぐらい「何かを変えたい」「何とかしたい」という思いだったのだという、彼の気持ちの表れであるということはよくわかります。僕にはその発想はないけど、それをやったことで、彼自身のテンションが上がったり、チームメイトがより一層、元気になったりするという意味が出てきた。すごく大きな行動だったと思います。
――この日の第4打席では5試合ぶりとなるレフト前ヒットを放ちました。代走を送られてベンチに戻ってきたときの盛り上がり方はすごかったですね。
髙津 みんなも青木の坊主頭をいじりたかったんです。でも、結果が出ないからいじれなかった。だけど、あの場面でようやくヒットが出た。だから、青木もわざわざヘルメットを脱いでベンチに戻ってきた。それを若い選手たちも含めてみんながいじり始める。みんなが望んでいたレフト前ヒットでしたからね。ああいうシーンはヤクルトらしいと思います。
――一進一退の攻防が続く中で、粘り強い戦いが繰り広げています。改めて、ファンの人にメッセージをお願いします。
髙津 ペナントレースが始まって、まだようやく各チームひと通り対戦が終わった段階です。なかなか、去年の終盤のような調子は出ていないですけれど、離脱者が戻ってきて、調子が上向いてくるまでは、我々も「今はまだ我慢のときだ」と思いながら戦っています。ぜひ、ファンのみなさんも粘り強く、我慢強く「応燕」していただければと思っています。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。