――開幕前のお話では、「最悪の事態も想定しながら戦っていく」とお話しされていました。先ほど名前の挙がった、奥川投手、サンタナ選手、今野投手など、故障離脱や新型コロナウイルス禍などの不測の事態に対しても、ある程度の備えはできていたのですか?
髙津 さすがに「奥川が離脱したら……」とか、具体的な選手名を想定して準備していたわけではないですけれど、「先発ピッチャーが一人離脱したら……」とか、「内野手が、外野手が一人離脱したら……」という、大まかなイメージは持っていました。うちの場合は決して選手層が厚いわけではないから、なんとかやりくりしながら戦っています。
――「やりくり」という意味では、当然、池山隆寛二軍監督率いるファームとの密接な連携が重要になってきます。
髙津 そうですね。こちらからは、「○○を、こういう打順でどこのポジションで起用してほしい」などと具体的な要望を出しています。そのためにメンバーがそろわなかったり、普段とは違うポジションを守ってもらったり、池山さん、選手たちには負担をかけていると思います。ファームに関しては池山さんに任せている状況です。
――楽観的な考えかもしれませんが、正捕手である中村悠平選手が離脱したことによって、古賀優大選手、松本直樹選手、そして内山壮真選手と、若手捕手が続々と出場機会を与えられて経験を積んでいます。結果的に全体が底上げされているという実感はありませんか?
髙津 底上げになっていればいいとは思います。少しでも中村に近づいていればいいですけど、でも実際のところはまだまだ中村との差は大きいですね。でも、それは仕方のないことだと思っています。実力の世界ですからできること、できないことはあるし、上手い、下手というのはハッキリと成績に表れます。それを理解した上で、古賀、松本、壮真たちを起用していくつもりです。
――中村選手が復帰する時点で、底上げがなされていれば理想的ですね。
髙津 本来、中村が一軍にいたら彼らもここまでは試合には出られなかったと思います。中村が戻ってきたら、また違う起用法になるはず。まだまだ「中村がいなくても、古賀が、松本が、壮真がいるよ」というところまでは来ていません。だから、彼らがこのチャンスをどう考えるのか? その点に期待したいと思います。