――開幕以来、3年目の村上宗隆選手を不動の四番に据えています。この意図は?
高津 昨年の数字は、プロ2年目の19歳としては今までにない、誰もできなかったすごい成績を残したと思います。それは本当にすばらしかったと思います。でも、今はその程度の思いしかないですね(笑)。彼はまだまだやるべきことがある。これから、本当の四番にならなければいけないんですから。
――「本当の四番」とは具体的に、どのようなものでしょうか?
高津 まずはチームを引っ張っていく存在ですね。数字だけではなく、人間性であったり、普段の立ち居振る舞いであったり、発言であったり、いろいろなものが要求されます。まだ20歳の村上に、今すぐそれを求めるのは酷かもしれない。けれども、単に技術の向上を目指すだけでなく、人間性の成長も同時に、僕は求めていくつもりです。
――村上選手の成長によって、山田哲人選手にも変化が生まれるのではないですか?
高津 哲人は決して、自分から発信して引っ張っていくタイプではないんです。自分のプレーに集中するタイプというのか、勝つための全力プレーを怠らないし、当たり前のことを全力で取り組む。その姿勢が他の選手に好影響を与えるタイプの選手です。だから、彼に対して、僕は「もっと声を出せ」と言うつもりはないです。彼については本当に単純なことだけど、「今まで通り、一生懸命頑張ってくれればいい」と思っているし、それが山田哲人という選手がチームに与える好影響なんだと思います。
――今年は青木宣親選手を野手のキャプテンに指名しました。この狙いは何でしょう?
高津 青木の場合は、哲人とは正反対で、彼のプレーや発言、立ち居振る舞いの一つ一つがチームに大きな影響を与える選手だと、僕は思っています。ベンチでは僕が監督だけど、グラウンドでは青木にリーダーになってほしい。彼の言葉や態度で、チームを勝利に導いてほしい。実際にそれができる選手なので、僕がキャプテンに指名しました。
――野手の中心が青木選手だとしたら、投手の中心は誰になりますか?
高津 うーん、やっぱり石川雅規になるのかな? ただ、投手の場合は野手と違って、先発ピッチャーは調整の関係でチームに帯同しないこともあるし、野手と比べると「輪」が大きいんです。だから、あえて投手キャプテンは指名しなかったけど、長年にわたって第一線で投げ続け、今もローテーションの中心である石川が投手の中心人物であることは間違いないでしょうね。