こんにちは、感情コミュニケーション術専門家の沖本るり子です。今回は、「どうせ」という言葉を活用して“やる気”を出す方法についてお話しします。日頃、人が何気なく口にしている言葉は、実は自分の“やる気”に大きな影響を与えています。「どんな言葉を、どんな意味で発しているか」で、無意識のうちに自分の「行動」をコントロールしていると言っても過言ではありません。
そんな中で、使い方次第で“やる気指数”を上げてくれる言葉が、「どうせ」なのです。実は、この言葉は積極的な「行動」に結びつく「パワーワード」になるので、ぜひ覚えておいてください。
人には、それぞれに無意識のうちに使ってしまいがちな言葉が、1つや2つはあるものです。そして、こうした「口ぐせ」は前向きな言葉とは限りません。皆さんの中にも、ついネガティブな言葉を口にしてしまう「くせ」がある人もいるでしょう。
こうしたネガティブな言葉の代表格に、「どうせ」という言葉があります。
具体的には、「どうせ、やっても意味がない」「どうせ、自分にはできないんだから」というように使われがちで、何かしらの「行動」を起こすかどうかを決めるときに、やらない「言い訳」に使われることが多い言葉です。そのため、自分の“やる気”を奪ってしまい、「行動」を妨げる原因になることが多いのです。
ところが、この「どうせ」という言葉は、実は“やる気指数”を上げる「パワーワード」になる素質を持っています。使い方次第では、「どうせ」は自分の気持ちを前向きにさせる言葉に変わるのです。
例えば、「どうせ」を「どうせダメなら、やってみよう」というように使ってみるとどうでしょう。また、周りの目が気になるときは「どうせ、みんな自分を見てない」、周りの評価が気になるなら「どうせ、期待されていないから」という形で「どうせ」を活用してみるのです。
実は、「どうせ、自分にはできないんだから」と踏みとどまってしまうのは、自意識過剰の表れでもあります。すなわち、自分が周りから期待されていると思っているために、その期待を裏切ることへの恐怖心が生まれるのです。そして、結果的に最初から「やらない」という選択につながります。
しかし、実際には「どうせ」周りの人はそれほど自分のことなど見ていないし、期待もしていません。最初から期待されていないと思えば気持ちが楽になり、必要以上に失敗を恐れることはなくなります。すると自然に“やる気指数”が上がり、思い切って行動できるようになるでしょう。
「どうせ」という言葉は、このように使うと“やる気”のために役に立つのです。
私は、親しい人にはあえて「どうせ、期待されていないんだから」「どうせ、他人はそんなにあなたのことを見てないよ」、などと言うことがあります。他人に対して使うケースでは気心が知れている相手に限られますが、「どうせ」を前向きな言葉として、ときには他人にも投げかけています。