すぐに使える営業の心理学

トップセールスマンは、どうして相手を不快にさせないのか――「アサーション」

2018.11.01 公式 すぐに使える営業の心理学 第15回
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相手を不快にせず、上手に断るスキル

こんにちは、ロールジョブの大岩俊之です。営業マンは、お客さまに対して上手に断ることが苦手な人が多いことでしょう。私も苦手でした。ときには、あまり我慢しているとつい感情的になってしまい、嫌な雰囲気になってしまうこともありますよね。

今回のテーマは、「アサーション」です。アサーションとは、相手に不快な思いをさせずに、自分の意見を主張する技術のことです。相手の意見をまず認めたうえで、その後で自分の意見を述べます。立場が相手のほうが上の場合であっても、主張しなければいけないことは、きちんと伝えなければなりません。

アサーションは、コミュニケーション技法の1つでもあり、「人は誰でも自分の意思や要求を表明する権利がある」との立場に基づく適切な自己表現のことです。

私も会社員だった営業マン時代、お客さまに対して上手に意見を主張できないために、何でも安請けあいしてしまったり、逆に我慢がたたって感情的に対処してしまったりしたため、後から気まずい関係になったことがありました。重要なお客さまであっても、やはり主張するところは、きちんと主張しなければなりません。

例えば、取引先から、急に納期を短縮するように要求された場合や、利益がギリギリなのに、さらにコストを下げるように要求された場合などは、苦しいと分かっていながら、なかなか断りにくいものです。

こちらとしては、将来性を考えた場合、無理をしてでも引き受けた方がいいケースもあるので、上司の判断を仰いだうえで回答することになります。しかし、本当に無理なものは無理と、きちんと主張をする必要がある状況も出てきます。ただし、このようなケースでは、言い方を間違えるとお客さまの気分を害してしまい、競合他社に仕事を取られてしまうケースも出てきてしまいます。

緊急事態が発生してお客さまから呼び出されたけれど、他の仕事で今すぐ身動きが取れないときは、呼び出し要請のあったお客さまを不快にさせず、上手に対処をしなければなりません。逆に、緊急事態が起きたお客さま先に向かうため、今打ち合せをしているお客さまを早めに切り上げる必要があるかもしれません。こうしたケースで大事なのは、言い方を間違えると、どちらのお客さまからの信用もなくしてしまう可能性があることです。

このように営業マンは、相手を不快にさせず、お客さまと上手に接していかなければなりません。以前にお話した「アサーティブ(相手を尊重したうえで自分の伝えたいことを相手に伝えること)な断り方」が、非常に重要になってくるのです。

では、どのようにしてこの「アサーション」を営業活動に取り入れていけばよいのでしょうか?

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プロフィール

大岩俊之
大岩俊之

理系出身で、最新のエレクトロニクスを愛する元営業マン。
大学卒業後、電子部品メーカー、半導体商社など4社で法人営業を経験。いずれの会社でも、必ず前年比150%以上の営業数字を達成。200人中1位の売上実績を持つ。
独立起業を目指すなか、「成功者はみな読書家」というフレーズを見つけ、年間300冊以上の本を読むようになる。独立起業後、読書法やマインドマップ、記憶術などの能力開発セミナー講師をしながら、法人営業、営業同行、コミュニケーション、コーチングなどの研修講師として7,000人以上に指導してきた実績を持つ。年間200日以上登壇する人気講師として活躍している。
主な著書に、『格差社会を生き延びる“読書”という最大の武器』(アルファポリス)、『読書が「知識」と「行動」に変わる本』(明日香出版社)、『年収を上げる読書術』(大和書房)、『1年目からうまくいく! セミナー講師超入門』(実務教育出版)などがある。

著書

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