小川流2018燕改革!

大充実の秋季キャンプは、
「考えること」「感じること」を重視

2018.11.23 公式 小川流2018燕改革! 第17回

いまだ記憶に新しい2017シーズンの屈辱的な戦績。ドン底まで低迷したチームを立て直すべく舞い戻った小川監督は、宮本慎也ヘッドコーチを要に据えたチーム改革を断行した。ハードワークに見られる「厳しさ」の追求は、選手達の意識をどのように変え、チームにどんな変化をもたらしているのか――。インタビュアーにライター長谷川晶一氏を迎え、小川監督のスワローズ改革に迫っていく。

(インタビュアー:長谷川晶一)

「レポート提出」と「個人面談」で、
緊密なコミュニケーション作りを

――11月1日に松山入りして、21日まで秋季キャンプを行いました。このキャンプでの手応えを教えていただけますか?

小川 昨年の秋季キャンプでは、徹底的に体力強化に取り組みました。もちろん、今年も体力強化は目標の一つですけれど、昨年と比べると一つレベルが上がったように感じました。去年は初めて取り組むメニューも多かったけど、今年は二度目ということもあって、比較的普通にこなしていたように思います。

――一方では、キャンプスタート時の「レポート提出」、そしてそれを踏まえての首脳陣と選手たちとの「個人面談」が話題になりました。あるいは、練習前の「3分間スピーチ」、「8人制紅白戦」など、新機軸のメニューもありました。これらの意図を教えていただけますか? まずは「レポート提出」と「個人面談」について。

小川 キャンプに入る前に全員にレポートを書いてもらって、全選手と面談をしました。これだけで4時間はかかりました。そして、面談では各担当コーチ一人一人、選手たちと話をしました。たとえば野手の場合で言えば、一人の選手が「打撃コーチ」「守備コーチ」「走塁コーチ」「宮本(慎也)ヘッド」、そして監督である「僕」と面談しました。

――それは確かに時間がかかりますね。レポートにはどんなことを書かせたのですか?

小川 投手ならば、「将来、自分が目指すタイプの投手について」、野手ならば、今シーズンを振り返って」とか、「今後の課題」とかです。それを読んで、僕も赤ペンでコメントを書いて、選手たちに戻しました。一応、今年一年の頑張りついてはしっかりと評価して、さらに「だけど、この点は……」という感じですね。

――選手たちからのレポートを通じて、新たな発見はありましたか?

小川 全員というわけではないけど、文章を通じて何となく感じる部分はありました。たとえば、中村悠平は非常に責任を痛感しているといったことがわかる内容でした。ピッチャー全般の成績についてもそうだし、クライマックスシリーズ初戦で、巨人の田中俊太に盗塁を許してしまった場面についての反省がびっちりと書かれていました。

――それに対して、監督はどのようにリアクションしたのですか?

小川 もちろん、反省すべき点は反省しなければいけないけれど、「もう少し、前向きに考えてもいいのでは?」ということを伝えました。

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プロフィール

小川淳司
小川淳司

千葉県習志野市出身。習志野高校卒業後、中央大学に入学。1981年ドラフト4位でヤクルトに入団。1992年現役を引退すると、球団スカウトやコーチなどを経て、2010年シーズン途中に監督に就任。2014年シーズンまでチームを率いる。退任後は、2017年シーズンまでシニアディレクターを務め、2018年から再び監督となる。

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