――毎日、練習開始前に行われた「3分間スピーチ」は、どのような狙いですか?
小川 いきなり人前で「3分間しゃべれ」というのは、そう簡単なことではないと思うんです。そのためには、きちんと準備や下調べをして、いろいろ考えながらしゃべることが大切です。それが野球と、どんな関係があるのかと言われれば、僕自身も明快に答えることはできないけど、自分の思いをきちんと相手に伝えること、そのためにちゃんと準備をする習慣は大事だという思いで始めました。
――各チーム、それぞれ1人少ない「8人制紅白戦」についても教えてください。
小川 これもやはり、「考えること」を意識づけるための練習です。ということで、「考えること」をさらに意識してほしい西浦(直亨)と塩見(泰隆)に監督を任せました。彼らはまだ、能力だけで野球をやっている部分があるんで(笑)。そして、彼らが選手をピックアップして、作戦、守備位置など、みんなと相談しながら、いろいろ考えさせるようにしました。
――選手が一人少ないということは、必ずどこかのポジションが一つ空くということですよね。そうなると、頭を使わないと対応ができなくなりますね。
小川 そうですね。戦況によっても違うし、自軍の投手と相手バッターとの力関係や、打者の特徴によっても違うし、すべてのことをひっくるめて考えなくちゃいけない。攻撃する側だって、どのような作戦で点を取りにいくのか知恵を絞る必要がある。僕らはただ、それを見ているだけ。試合後に、選手たちを交えて「あの場面はどんな意図だったのか?」「この場面はこうすべきできなかったのか?」ということを話し合いました。
――一連の練習方法は、いずれも「考えることの大切さ」を意識しているように思います。
小川 おっしゃる通りです。今回の秋季キャンプのテーマは「考えること、感じること」を大きなテーマにしています。厳しい練習で個々のレベルを上げることは当然です。でも、それに加えて「考える、感じる」ことを通じて、それをどうやって行動に移していくか? 野球のプレーに取り組んでいくか? そんなことを意識した練習メニューです。