小川流2018燕改革!

ミスの原因をしっかり分析し、
同じ失敗を二度と繰り返さない

2018.05.25 公式 小川流2018燕改革! 第5回

いまだ記憶に新しい2017シーズンの屈辱的な戦績。ドン底まで低迷したチームを立て直すべく舞い戻った小川監督は、宮本慎也ヘッドコーチを要に据えたチーム改革を断行した。ハードワークに見られる「厳しさ」の追求は、選手達の意識をどのように変え、チームにどんな変化をもたらしているのか――。インタビュアーにライター長谷川晶一氏を迎え、小川監督のスワローズ改革に迫っていく。

(インタビュアー:長谷川晶一)

「執念」という言葉に込められた
監督の望む選手たちの意識改革

――5月も終わろうとしています。ここまでの状況をどう振り返りますか?

小川 「苦しい戦いが続いている」というのが、正直なところです。「ここぞ」という場面で小さなミスが出てしまったり、チャンスを作るものの勝負を決めることができなかったり、勝てる試合を落としてしまうケースが続いています。

――小川監督が考案された今季のスローガンは「SWALLOWS RISING 再起」ですが、「再起」の兆しは見えているのでしょうか?

小川 このスローガンは、文字通り「ゼロからのスタート」という意味であり、「昨年の悔しさを忘れずに、再び上を目指していこう」というそんな思いを込めました。昨年の悔しさがあるからこそ、秋季、春季キャンプでも選手たちはより一層の努力を続けることができました。すぐに結果に結びつくものではないかもしれないけれど、当然、すべての選手が「再起」に向けて努力しています。

――2011年に最初に監督に就任したときには「心をひとつに~POWER OF UNITY」というスローガンを掲げて、シーズン終盤まで優勝争いをしました。あのときと今季とでは当然、チーム状況も監督の考え方も違うわけですよね。

小川 10年シーズン途中に監督代行を任された後、みんなが力を合わせてチーム状況がよくなっていきました。その過程で、チーム全員が「心をひとつに」して、同じ方向を見て戦うことの大切さを痛感しました。そこで、11年シーズンを迎えるときにはこの思いを英訳してスローガンにしました。しかし、今年は昨年のことを踏まえて「再起」を誓うことこそ最優先事項なのだという思いを持ってシーズンに臨みました。

――スローガンではないけれど、監督は「執念」という言葉を今年は頻繁に口にしていますね。これにはどんな意味が込められているのですか?

小川 昨年96敗を喫した中で、使用時期に言えばあまり執念が感じられないプレーやシーンがありました。もちろん、選手たちは必死に頑張っているのだけれど、人間ですから大差がついた場面などではどうしても常に気持ちを込めたプレーができなくなることもあります。でも、そんなときこそ「執念」が大切になると僕は考えます。一球の大切さ、ワンプレーの重みを忘れることなく、選手たちには常に「執念」を持って試合に臨んでほしいと思っています。

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プロフィール

小川淳司
小川淳司

千葉県習志野市出身。習志野高校卒業後、中央大学に入学。1981年ドラフト4位でヤクルトに入団。1992年現役を引退すると、球団スカウトやコーチなどを経て、2010年シーズン途中に監督に就任。2014年シーズンまでチームを率いる。退任後は、2017年シーズンまでシニアディレクターを務め、2018年から再び監督となる。

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