タレントの高田純次さんが、以前にテレビでこんな話をされていました。
「年を取ってやっちゃいけないのは、説教と昔話と自慢話」
その通りでしょうね。若い人たちからしたら、説教・昔話・自慢話は聞きたくないはずです。言いたいことがあっても、そこはグッと我慢する。それが私たち50代に求められている基本的なスタンスでしょう。
ですが、高田純次さんも「そしたら話すことが下ネタしかなくなっちゃったんだけどね」とオチをつけて笑いを取っていましたが、説教・昔話・自慢話をすべてNGとしてしまうと、「話すことが何もない」という人も少なくないのではないでしょうか。
説教・昔話・自慢話は、基本的にはNGです。ただし会社にいる以上は、一定の存在感は示す必要があります。誰とも何も話さず、いるのかいないのかわからない。そんな “会社の妖精さん”になってしまったら、「あの人いらないよね」と囁かれるようになって、リストラ候補になってしまう危険性さえあります。
また、50も超えると、誰にも褒められなくなったり、叱られなくなったりするものです。誰かにちょっとは褒めてほしい、気に留めてもらいたい、という気持ちから、昔話や自慢話をしたくなるときもあるでしょう。(私も「今回の仕事は頑張ったぜ」とプチ自慢をしては、社員に「はいはい」と軽くあしらわれています)
あるいは、多少は「うざい」と思われても、私たちには長く生きてきた人間の責任として、若い世代に言うべきことは言う必要もあります。
今回は、説教、昔話、自慢話をする場合の「伝え方」について考えてみましょう。
若手に何かを伝えるのは、必ずしも悪いことではありません。若い世代に話を聞くと、「新卒の頃、年配の上司からビジネスマナーのいろはを教えてもらったのは、すごくありがたかった」と感謝している人もいました。
私も新卒で入った会社で、誰に対してもきちんと挨拶をする「礼儀」の大切さや、事実と意見を分けて話すこと、公式の場で言っていいこととダメなことの違いなど、TPOによる対応の仕方などを教えていただいたり、叱ってもらったりしていました。
だから今でも、ビルの管理人さんや掃除をされている方に挨拶をしない人を見かけると、「やっぱりそこは “おはようございます”とか“おつかれさまです”と言うべきじゃないか」と、ひとこと言いたくなったりもします。
自分のこれまでの経験値で若い人に伝えるべきだと思うこと、もしくは客観的に考えて必要だと思えることは、やはり躊躇せずに伝えるべきでしょう。
ただし、長々と説教をしたり、人前で叱責したりするのは、NGです。上司から部下でも、年上から年下でも、いきすぎた説教はパワハラになります。
だらだら長く話すのは、どんなときであってもよろしくありません。どうしても言わなきゃいけないときでも、基本は1分以内。
短く、簡潔に、さらっと伝える。
これが若手に何を伝える場合の重要なポイントです。