皆さんは、今の年収を上げたいですか? おそらく、多くの人は「上げたい」と考えていると思います。私もまあそうですね。もう少し高いといいのかな、とは思います。
しかし、年収が上がると「幸せ」になるのでしょうか? 年収が高い、ということは本当に幸せなことなのでしょうか。
あなたは次の設問のどれにあたりますか?
いまの年収について、あなたはどう感じていますか?
① もっともっともらうべきだ。全然少ない。2倍以上もらってもいい。
② もう少しもらってもいいかなあ。
③ 今の年収はまあ「適正」だと思う。
④ 多すぎる、もらいすぎていると感じる。
さて、あなたはこの①~④の中で、どれが一番幸せな状態だと思いますか?
これを幸せの順で考えると、私は②→③→①④だと考えます。
① もっともっともらうべきだ
まず①です。これはあまり幸せそうには見えません。しかし「全然少ない」というのは何に比較してそう思っていらっしゃいますか?
「社内の誰か」ですか? それとも友人の「誰か」でしょうか。
年収は、あなたが会社に提供した「価値」で決まります。提供した価値とは、「誰かに商品やサービスの価値を提供して、その相手から“ありがとう”と言ってもらえる」ことです。
これは、顧客とは限りません。
社内での後工程や管理職・経営陣・他の社員に価値を提供しているかもしれません。そして提供する価値は(よい意味での)影響力が高まれば(価値を提供する相手が多い、または価値そのものが大きい)増大しますので、年収は必然的に上がります。
その意味で、客観的に他者と比較しても、自身が創出・提供した価値に対して、自身の年収が「少なすぎる」ということであれば、「何かがおかしい」ということになるでしょう。
利益がでない事業であったり、会社の仕組みがおかしかったり、途中で誰かが中抜きしているのかもしれません。もしご自身が転職するなどして、別の環境にいけば、変わるかもしれません。
しかし本当に、これを機に『提供している価値と年収が「マッチ」しているのか』を確認いただきたいのです。
② もう少しもらってもいいかなあ
私は、これが一番幸せな状態だと考えています。
私はサラリーマンを20年経験しました。そのうち、「自分がやっていることに対して、もう少しいただいてもいいんじゃないかな」と感じている時が、一番幸せだったと思います。
これは、自分が年収以上の価値を提供できている実感があるということで、いわば仕事上では「ノッている」状態です。周囲からの評価もまずまずで、成果を上げている実感を得ています。
それに対して年収が追い付いていない状態ですが、「ノッている」のでさして気になりません。お金はそのうち後からついてくる、という感覚もありました。
ただ、これが同じ会社内の他者に比べて「あいつがそれだけもらっているなら、自身はもっともらってもいいんじゃないか」ということであれば話は別です。これはあまり幸せとは言えないかもしれませんね。
これもその会社の評価制度なり、給与制度の問題かもしれませんし、所属部門・上司の問題かもしれません。しかし、まず他者との相対比較で「もう少し」と思っているということについては、なぜそうなのか、を確認する必要があります。
あなたが気づかない「何か」が、比較する相手と自分の差になっているのかもしれません。その差の理由を確認しましょう。
そして、明確な答えが返って来れば、納得して自身を改めましょう。そうでなければ、文句を言っていてもはじまらないので、自身が適正だと思う年収を得られる場所を探すしかありません。
しかしその前に、自身の年収が果たして本当に適正なのかは、確認したほうがよいでしょう。