その一ヶ月後。
この御夫妻二人の宴の模様を1パックのインスタレーション作品にして、現代アートギャラリー「Art Center Ongoing」にて『神様の宴』展を開催しました。
宴のリアルな写真をバーンと大きく会場に引き伸ばして展示。さらに、その空間の真ん中に、御夫妻が着た僕のコスチュームを展示しました。ギャラリーに流れる音は、雅楽の調べ。品良く香も焚きました。さらなる宴のはじまりです。
御夫妻を招いてのトークショーも開催し、また、雅楽をもっとたくさんの方に知ってもらういい機会だと思い、龍笛・笙に加えて琵琶の雅楽師三人による演奏パフォーマンスもしました。
来場されたお客様は雅楽を奏でる雅楽師に興味しんしんそうに聞き惚れ、演奏後も質問等の嵐。その場にさらに華が咲きました。
また台湾の台中で行われた僕の展覧会『衣殖』展では、大きく雅やかな女性の古着物のコスチューム作品の展示とともに、龍笛・笙の雅楽師二人を招いての演奏と、台湾の方々に日本の雅楽の調べを聞いて、感じていただきたくパフォーマンスしました。まさに海外公演ですね。
本物には負けちゃいます。白旗さっさとふっちゃいます。
彼らの音色は遥か昔から奏で伝えられてきた音。楽曲も一つ一つ深い意味を持っています。
演奏時に着用する装束もなんてたって美しく、いい意味で不思議な装いでめちゃくちゃCOOL★★★です。
彼らは数々の公の場で奏で、舞い、今年5月5日には鶴岡八幡宮での菖蒲祭でも披露されました。見たかったな。
だから、自分が創るコスチュームはもちろんまだまだ甘い! とは思いますが。僕みたいなクリエイターが一緒にコラボレーションすることによって、気軽にとは言えないものの、彼らの音色をたくさんの人たちに、世界中の人たちに知って、聞いて、体感していただけたら、それって凄く素敵だと思うのです。
だから、どんどん新たにニューバージョンでTRYしていきたいと考えています。
彼らこそ本物のCOOL★JAPANではないかと僕は強く思います。
歴史あるものは本当に美しいです。
室内リハーサルも終了。コスチュームもバリッと着て、風神雷神のようにヘアスタイルもバリッとキマリました。
いざ、お客様の待つ演奏会場へと。
ドキドキワクワクのこの日、このときのためだけに思いを、時間を込めて制作したコスチューム。あとは雅楽師の二人にバトンタッチ、任せます。贅沢なときをまたぐコラボレーション。ドアは開きました。
さあ、次は彼らと何をしようかな?
世界中からのオファー♥お待ちしております。
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