コスメティッククリエイションを終え、いざ、新宿の装苑編集部へ! ここを訪ねるのは久しぶり。先日電話をくださった玉利副編集長とは、rooMSイベントで初めてお会いして以来です。そのときはあまりお話しする機会がなく、じっくり対話するのは、この日が初めて。
「今回の装苑は“アクセサリー”特集号になります。まだガッツリキメキメではないのですが、アクセサリーモチーフとして“パール”を軸に、ビジュアルクリエイションを考えていただきたいんです。これもまだ決定ではないのですが、モデルに2人のガールを起用し、表紙と特集でビジュアルSTORYを創りたいと考えています」と玉利さん。
面白い。アクセサリーでガールズをクリエイションできるなんて、クリエイター冥利に尽きます。金・銀・パールな、僕の好きな世界Worldです。お話をうかがいながら、頭の中ではキラキラ妄想が動き始めちゃいました。
玉利さんの上司である児島幹規編集長とも初対面して、「いつもお世話になっております」と互いに深々ご挨拶。ダンディーな見た目で声もいい児島編集長に、「前々からクリエイションをお願いしたいと思っていました。80周年記念号のビジュアルも大変気に入っています」とお褒めいただき、テンションが上がります。
装苑ではここ数年、表紙と特集のクリエイションを、各号のテーマごとに編集部がセレクトしたアートディレクター・アーティスト・イラストレーターに依頼しているのだとか。なるほど、さすが。そんなこだわりのある編集部から、「ぜひ今回、成田さんにやっていただければ」と熱く力強いオファー❤をいただき、やるぞ! と奮起いたしました。
「アクセサリーはやめられない。金・銀・パールのパールです。丸いです。白いです。キラキラです。女子にはマストアイテムなパールです」と、ミーティングを終えた帰り道から楽しいアイデア出しがスタートしました。
アイデアを考えるときは、クリエイションのテーマから連想される色や形、情景、それにシチュエーションなどについて、頭に浮かんだ単語や文章を気ままにスマホへ打ち込んでいきます。また、スケジュール帳を見ながら、企画アイデアをクライアントに提出する日をあらかじめ決め、逆算していつ頃までに「妄想の種」の単語を出し尽くすべきか組み立てるようにしています。その過程でふと思いついた考えも、もちろん逃さずスマホに登録。満員電車の中でも、バスタブの湯に浸かっているときでも、ふっと脳裏をかすめたアイデアをメモし、ストックしていきます。
それから、書き溜めたメモを眺める。するといくつものアイデアが一気に浮かんできます。それらのアイデアのビジュアルイメージを、線画で数十案ほど描く。こうしてできた線画に、コピックで色をつけて、雰囲気やイメージを膨らませていきます。僕のラフクリエイションはいつもこんな感じ。浮かぶアイデアを、一気に数十枚のラフ画に変化させていくのです。
最終的に出揃った案は20超。「どれ“を”やりたい!」ではなく、「どれ“も”やりたい!」という自信作ばかりです。これらのアイデアをすべて編集部にプレゼンテーションし、セレクトしてもらうことにしました。もちろんプレゼンですから「このアイデアは全部NGです」なんて言われることもあるでしょうが、僕なら「ならばリベンジ! 熱くリトライしてやるぜ、クリエイターPower!」と奮起します。といっても、もちろんそんなNGを食らわないよう考えに考えてアイデアを練るので、いまだNGはゼロです。
後日、編集部からお返事が。「CUEさんのラフ画、猛烈めちゃくちゃ可愛いです!どの絵も、このまま何かに使いたいくらいです!」と嬉しいお言葉をいただきました。
そして次のステップへ進むべく、もう1度打ち合わせをすることに。電話やメールでもできなくはないのですが、僕は相手のお顔をきちんと見て話したいので、またまた新宿の編集部を訪ねます。
玉利さんいわく、先日のアイデア群の中から表紙はセレクトしたとのこと。ただ、追加で次のようなリクエストをいただきました。「モデルのガール2人に“関係性”をさらに感じさせるような、コンセプチュアルなビジュアルSTORYを持たせたい。そこで、2人をアクセサリーとしてビジュアル化を深く再度考えていただけますか?」
ふむふむよくわかりました、と頷きつつ、目の前のデスクにジャポニカ学習帳を広げて、さっそくアイデアラフを描きなぐっていく。これをベースに、楽しく、かつ侃々諤々とディスカッションを深めます。