また、このワークショップ期間中、大学キャンパス内の他の授業なども見ることができました。そのうちの一つが、ファッション科の学生160名が、手がけた衣装をモデルに着せて披露する「ランウェイショー」。
1人6着をデザインし自ら縫製して、モデル6名にヘアメイクもし、ランウェイショーという形で発表する課題だそうです。朝から、着飾った背の高い美男美女がキャンパス内にたくさんいて活気づいています。テンションMAX★
ショーの審査員は教授ではなく、外部から招待したファッションクリエイションに関わる一流たち。評価が高い学生は、海外のコレクションで発表できるという特典★があるみたいです。「なんてプロフェッショナル意識の高いカリキュラムなんだ!」と嬉しくなって、興奮して、驚きました。
すべてのショーを見たかったものの、担当するワークショップがあったので、残念ながら一部しか観覧できませんでした。「実はショーの審査員としても参加してほしかった」と大学側が考えていたと聞かされ、ならばと思い、学生たちの分厚い衣装、全ルックブックを見させてもらって「いいな」と感じたデザインをチェックし、結果的に審査員としての参加も果たしました。
ワークショップ最終日。
いよいよ、各チームのプレゼンテーション発表の日を迎えました。
初めのきっかけとなった、彼らのチョイスした台北ローカルフードから、分解し、発想を広げ、アイデアを出し、ディスカッションをし、アイテムを作ったりビジュアルを撮影したり。
ラストにその思いを、それぞれ10チーム10通りのポスターとして持ってきました。
彼らと一緒に考え、アイデアを出し、意図を汲んでキャッチーコピーを考え、アドバイスしたりと、まさに一緒に美味しくなるように料理をしてきた6日間のワークショップ。
彼らの思いをポスターという形にすることが最終的な目的ではありましたが、そこに行きつくまでの道のりや、チームで考えてディスカッションすることのほうが大切でいい経験だったと感じました。
考えること。 それも、チームでプロジェクトを遂行することは、自分の考えだけではなくコミュニケーションの掛け合いです。チームが一丸にならないと、美味しい料理やアイデアは作れないですから。これが1番大変で、いい勉強になったはずだと思いました。あ、自分も痛感しちゃいましたね。
今、この記事は台湾に向かう飛行機の中で書いています。到着したらもちろん、すぐに展示会の会場に向かうつもりです。 あのときから、さらにブラッシュアップしたワークショップの成果がどうなったのか? どんな美味しい展覧会になっているのだろう? 楽しみです。
『美味しいワークショップ』の第2回は、地球のどこで料理しようかな? ごちそうさまでした。
本連載が書籍に? 資生堂アートディレクター成田久氏が、銀座一丁目の森岡書店にて「ププププレゼン力」展を開催中! 2017年12月19日(火)~28日(木)まで。詳細はこちら