真のリーダーになるために必要な能力。細かく挙げればきりがないのですが、私は「徳」と「才」のバランスが大切だと考えています。
「徳」とは、世の中や周りの人に貢献しようとする心のことです。
「あの人は人格者だ」「あの人は人徳者だ」などと呼ばれる人がいます。
そういった人は、人を思いやれる人です。揺るぎない信念を持った人や、大変な苦労をした人の中にそのように呼ばれる人が多くいます。
そういった人は、しっかりとした自分のミッションをもっており、日々の行動においても人を思いやりながら、人として正しい行動をすることができます。
一方の「才」とは、戦略的に物事を考えられる頭の回転の速さや、財務の知識などのスキルの部分を指します。
最近では、こういったスキルを得るためにビジネススクールでMBAを取得するビジネスパーソンも増えています。
企業の中には、自社内でビジネススクールを立ち上げるところもあり、多くの管理職が受講しています。教材は実際にビジネススクールで使用する教材のほか、実在の企業のケーススタディがメインとなります。
大学教授や経営コンサルタントが講師となり、企業財務や事業戦略などの手法をみっちりと学び、分析し、社長に経営改革の提言を行うのです。
私は、リーダーにはこの「徳」と「才」の両方がバランスよく求められると思います。
しかし日本の教育を振り返ってみると、この「才」の部分のみに注力しているように感じます。リーダーを目指すほとんどの人にとって、私は「才」よりもむしろ「徳」の部分を今後強化していく必要があるのではないかと考えています。
企業内での研修でもスキル研修のみを行っている企業が大半ですが、役職が上がれば上がるほど、もっと人としてどう生きるかという「徳」の部分に重点を置くべきだと思います。
さて、ここで第5回の課題です。
『あなたは普段、「徳」と「才」バランスをどれくらい意識していますか? また、そのバランスの理想の状態はどういう状態ですか?』です。