若手にとって最も重要なのが「仲間とのいい関係」です。デジタル機器が当たり前にある世界で育った「デジタルネイティブ」である若手にとって、仲間との情報共有はいつでも、どこでもできるものです。
横の繋がりは緊密であり、常に一体感が育まれてきました。その中で、厳しい社会環境を一緒に乗り越え、同じ時代を生きている「仲間」は最も大切な存在なのです。
今、多くの企業で「コンプライアンス(法令遵守)」が求められる時代となりました。特に大手広告代理店での痛ましい事件をきっかけに、労働基準監督署の査察も入るというショッキングな出来事が、時代を動かす大きな要素になったと思います。国も世の中も、働き方を大きく見直す必要があるというメッセージになりました。
このような状況の中で、若手が最も働きやすい環境とは何かを考えたときに出てくるものは、「信頼できる仲間」と一緒に仕事ができるということです。
自分が目立って仕事を行うよりも、チームで結果を出すことを重要視します。
一方、情報があふれる世界の中で、価値観も多様化し、多くの企業が業績不振に苦しんでいます。その結果、マネジメントが二極分化しているのです。
一つは、さらに目標にコミットさせ、力で達成させる「パワーマネジメント」にシフトする企業。
もう一つは、今の若手のもつ長所や発想力と、ベテランのもつ知識やスキルを融合させ、新たなチャレンジとも言える「協力型マネジメント」を行う企業に分かれてきています。
残念ながら「パワーマネジメント」では、今後その企業が生き残るのは難しくなるでしょう。理由は、離職率があがる可能性と、採用が困難になる可能性が高まるからです。
人口が減少していく中で、さらに若手が入らない企業では、事業を継続したくてもできなくなる危険性があるということです。