学校ではどうでしょうか。注意することはあっても、叩いたり叱りつけたりすることはほとんどないようです。もし先生が過剰な暴力に訴えることがあったら、すぐにネットで拡散され大問題になってしまうので、手出しができないのです。
このような状況により、子どもは打たれ慣れていないまま大人になります。その結果、叱られたり、怒鳴られたり、殴られたりする耐性が著しく欠落しているのです。
体育会系のクラブなどで心と体をともに鍛えてきていれば、まだ社会に出てから少々のストレスに耐えることもできるでしょう。しかし、学生時代に厳しいトレーニングなどの経験をしていない場合は、会社の上司や先輩からの叱責や指導にどう対処していいか分かりません。
社会に出るまで、自分の行動や発言に対して指摘されることがほとんどなかったため、それが自分を否定しているように感じてしまうのです。
学生時代は、自分と価値観が違う人や、合わない人とは関係性を持たない選択ができますが、社会に出ればそれはできません。つまり、はじめての体験となるわけです。はじめての体験は誰でも、ストレスを感じるものです。それが自己を否定するようなことを言われるものだとしたら、さらに大きく感じてしまうのも無理もないのです。
次回に続く