効率化するためには、単に仕事のスピードを速くすればいいというものではありません。
その仕事のプロセスの中で、重要なポイントが分かっていなければなりません。
それは、まさにビジネスの「ツボ」ともいうべきところです。
効率化できている人は、このツボをしっかりと押さえています。
それ以外のところは手を抜いても、ツボを押さえているから、お客さまには喜ばれるし、クオリティも高いまま、スピードをあげられるのです。
9割の部分は社員や外注先に任せたとしても、重要なポイントをしっかりと押さえておくことができれば、クオリティを保ったままビジネスを拡大することができます。
自分はそのチェックの部分だけをやればいいわけです。
・商品のどのポイントがキモなのかを押さえている。
・お客さまが接客のどこで満足するのかを押さえている。
・スピーチで相手の心を動かすツボを押さえている。
・チラシのどの部分に力を入れるべきかを押さえている。
・何が決まればこの打ち合わせが終わりなのかが押さえている。
このようにそれぞれの業務のツボを押さえているからこそ、安心して効率化することができるわけです。
うまく行っている人は、ツボの部分に時間と労力を使って、それ以外のところはいい意味で力を抜いています。メリハリをつけているのです。
もちろん、最初からツボが分かるわけではありませんので、経験者に教わることも重要です。
闇雲に自己流で行うのではなく、しっかりと経験者に習うということです。
どう見ても自分の3倍も10倍ものスピードで仕事をこなしている人はいるものです。
そういう人から学ぶべきなのは、「どこに力を入れて、どこで力を抜いているか」ということです。
ただやり方を学ぶだけでなく、一連の仕事のメリハリのつけ方も教わってみましょう。
ただし、どうしても習っただけでは分からないものも少なくありません。
私は、クラリネットを36歳から始めたのですが、何年もやっているとさすがにだんだんと上手く吹けるようになってきました。
(※個人の感想です 笑)
以前よりはいい音が出せるようになってきて、少しずつ難しい曲も吹けるようになりました。
プロや長年やっている人と比べるとヘタクソですが、それでも、自分としては「あっ、うまく吹けるようになった」と思う場面が増えてきました。
また、書籍の執筆スピードが、どんどん速くなってきました。
1冊目は2年かかりました。
2冊目は10か月です。
そして、3冊目は5ヶ月ほどで書けました。
他にもセミナーの準備時間も短くなりましたし、コンサルティングのセッション時間も、15分ぐらいで答えが出せたりします。
なぜかというと、どれも、「続けてきたから」というのが、私が説明できる理由です。
いろいろ細かな改善はしていると思いますが、「続けてたらいつの間にか慣れてきた」という説明が最もしっくりきます。
「何かいい方法はないのか!!」
と、必死にもがく感じではなく、ただただ続けていただけです。
そうするとたまに、「あれっ?」と上達を感じたり、ちょっとしたコツを見つけたりします。
ですので、今は何か新しいことにチャレンジするときには、
「ずっとやっていたら上手くなるだろう」
というイメージを持って始めています。
「量が質に転化する」という言葉がありますが、まさにそれです。
数をこなすと見えてくるものがあるのです。
つまり、最初から言語化して伝えられないノウハウや感覚があるということなのです。
ビジネスにおけるノウハウというものは、教えられてすぐに理解できるものばかりではありません。
やはり、実際に自分で経験して丁寧にやってみないと、理解できないこともあるものです。
しかし、「必ず量が質に転嫁する」というイメージがあると、どんなに効率が悪くても、ヘタクソな時期があっても凹むことがありません。
最初は誰でも何でも非効率でヘタクソなところからスタートです。
そのときそのときで、自分にダメ出しする必要はありません。
どうせ、そのうち上手くなるし効率もよくなりますので、今はそれでOKです。
必ず最後には効率がよくなりますので、最初はしっかりとクオリティを高めることに専念してもまったく問題ありません。
次回に続く