「失敗しない」という考え方は、起業したら捨て去ってください。
それはサラリーマン時代の思考です。
会社に勤めていると、「失敗しないこと」で「安定した給料」をもらえます。
一方で、起業家は「たくさん失敗」をして、その中の1つの成功で「莫大な利益」を得ます。
その1つの成功を探し当てるために、試行錯誤を何度も何度もするわけです。
ですので、「百発百中」はありえませんし、目指すことではありません。
こういうことは、どこでも言われていると思います。
あなたも、「早くたくさん失敗したほうがいい」ということを、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
しかし、理屈で分かっていても、感情で納得していない場合も少なくありません。
気付かずに「百発百中」を目指していて、止まっていることもよくあります。
例えば、
・商品を発売開始できない
・提案に行けない
・チラシをつくれない
・WEBサイトに公開できない
・プロフィール写真を撮れない
・文章をブログにアップできない
など、やろうと思って先延ばしになっていることはないでしょうか?
何ヵ月も、もしくは何年も先延ばしになっていることはないでしょうか?
こういうときは、多くの場合、百発百中を狙って動けないのです。
そして困ったことに、自分がそう思っていることに気づかないのです。
私にもそんなことがありました。
一時期、名刺がつくれない時期があったのです。2年ほど、名刺を印刷しませんでした。
それは、「肩書が決められない」という理由です。
名刺をつくってみたはいいけど、反応がよくなかったらどうしよう、またつくり直すのは大変だ、という思いがあって、ずっと止まっていたのです。
でもそのときには、自分では止まっている原因が明確には分かっていませんでした。
私のように、気付かずに時間を無駄にしないために、この質問をご自身に投げかけてみることをおすすめします。
「最初からうまく行かせようと思っていないだろうか?」
いくつかの仕事について、この質問をしてみると「百発百中」を狙っていることに気づくかもしれません。
いかがでしょうか? 心当たりはありますか?
あのときの私が、「最初からいい肩書をつくろうとしてないか?」と自分に問いかけていたら、もっと早く動き出せていたに違いありません。
このように「百発百中」を目指すということは、行動ができなくなる原因になりますので、非常に効率の悪い行動基準です。
準備が完璧になったら行動しようと思っても、完璧な準備は永遠にできません。
商品の不備は気になるし、他社製品と比較して劣っている所が目につきます。もっと多くのニーズに合うようにと思うと、改善することは山ほど見つかります。
結局は、ずるずると行動を先延ばしにしてしまうのです。
もちろん、完璧なクオリティは目指すべき目標かもしれません。
最高の品質を目指して、日々努力することは素晴らしいことだと思います。
しかし、「完璧を目指して行動する」のと、「完璧になるまで行動しない」のとでは、まったく意味が異なります。
この世の中には完璧は存在しません。
完璧は目指すものではありますが、永遠に到達することはできません。
私たちは、完璧を目指しながらも、現時点のクオリティで仕事を始め、やり遂げる必要があるのです。
商品に自信がなくても、文章をもっと書き直したくても、資料が不十分でも、そのレベルで動き出さなければ何も始まらないのです。
「百発百中」の対義語としては、「一勝九敗」が対応するかもしれません。
動ける人はまさに「一勝九敗でいい」と思っています。
「最初は失敗してもいい」と思えたときに、人はようやく最初の一歩を踏み出すことができるのです。
行動できる人は、どのように考えているのか? 言葉にするとこのような感じです。
「最初は売れないかもしれないけど、まずはリリースしてみよう」
「提案が通らないかもしれないけど、そのときはニーズをしっかり聞こう」
「いいチラシができないかもしれないけど、またつくり直せばいい」
「WEBサイトの反応がないかもしれないけど、改善していけばいい」
「いいプロフィール写真が撮れないかもしれないけど、また撮り直せばいい」
「ブログの評判がよくないかもしれないけど、書き直せばいい」
ご自身がストップしている仕事に対しても、「最初は失敗するかもしれないけれど、やり直せばいい」と思えるでしょうか?
「損したくない」と思っているなら動けませんが、「最初は損してもいい」と思っている人は動けます。
「失敗するのはカッコ悪い」と思っていると動けませんが、「最初はカッコ悪くてもいい」と思っている人は動けます。
「迷惑をかけたくない」と思っていると動けませんが、「最初は迷惑をかけてもいい」と思っている人は動けます。
こうやって言語化してみると、自分がどこで止まっているかが明確になります。
そして心理的に受け入れられたら、行動ができるはずです。
もちろん、大きな失敗はリカバリーが大変ですなので、最初の一歩は小さく始めてみることがおすすめです。
致命傷にならない失敗は、失敗ではありません。