神楽ゆきな

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シャロン・ブーケ伯爵令嬢は社交界デビューの際、ブレント王子に見初められた。 手にキスをされ、一晩中彼とダンスを楽しんだシャロンは、すっかり有頂天だった。 まるで、おとぎ話のお姫様になったような気分だったのである。 しかし、踊り疲れた彼女がブレント王子に導かれるままにやって来たのは、彼の寝室だった。 ブレント王子はお気に入りの娘を見つけるとベッドに誘い込み、飽きたら多額の持参金をもたせて、適当な男の元へと嫁がせることを繰り返していたのだ。 そんなこととは知らなかったシャロンは恐怖のあまり固まってしまったものの、なんとか彼の手を振り切って逃げ帰ってくる。 しかし彼女を迎えた継母と異母妹の態度は冷たかった。 継母はブレント王子の悪癖を知りつつ、持参金目当てにシャロンを王子の元へと送り出していたのである。 それなのに何故逃げ帰ってきたのかと、継母はシャロンを責めた上、役立たずと罵って、その日から彼女を使用人同然にこき使うようになった。 シャロンはそんな苦境の中でも挫けることなく、耐えていた。 そんなある日、ようやくシャロンを愛してくれる青年、スタンリー・クーパー伯爵と出会う。 彼女はスタンリーを心の支えに、辛い毎日を懸命に生きたが、異母妹はシャロンの幸せを許さなかった。 彼女は、どうにかして2人の仲を引き裂こうと企んでいた。 2人の間の障害はそればかりではなかった。 なんとブレント王子は、いまだにシャロンを諦めていなかったのだ。 彼女の身も心も手に入れたい欲求にかられたブレント王子は、彼女を力づくで自分のものにしようと企んでいたのである。
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文字数 50,829 最終更新日 2023.10.15 登録日 2023.09.16
恋愛 連載中 短編
没落寸前の家の為に、両親の決めた相手と婚約することにしたキャンディス。 しかし嫌々、というわけではなかった。 なにしろ相手は、年頃の娘なら誰もが憧れるセオドア侯爵令息なのである。 もちろんキャンディスも彼に夢中だった為、嬉々として挨拶に向かったのだけれど。 なんと現れたのはセオドアではなく、彼の弟のドミニクだった。 「まさか相手は兄のセオドアだと思ったのか? それは残念だったな」 ニヤニヤ笑ってくるドミニクに、すっかり青ざめてしまった。 それからは、家の事を思えば絶対に抵抗できないキャンディスを嘲笑うかのように、ドミニクは嫌がらせをしてくるようになった。 それもセオドアの目の前で……。 「ちょっと、触らないでよ!」 「どうしてだ?婚約者なんだから構わないだろう。 いいから、もっと近くに来いよ」 しかしそんなドミニクを優しく注意してくれるのは、やはりセオドアだった。 これに、ますます胸をときめかせてしまうキャンディス。 婚約者はドミニクだというのに、彼女の心はグラグラと揺れてしまう。 ところが、そんな憧れのセオドアにも、大嫌いなドミニクにも、キャンディスの知らない秘密があったのである……。
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文字数 66,504 最終更新日 2023.08.30 登録日 2023.04.22
ジュリア・チェスター伯爵令嬢とダニエル・バークス伯爵令息の婚約が決まった。 両親のような仲良し夫婦が目標のジュリアは、良き妻になろうと心に誓う。 しかしダニエルは違った。 実は彼には、ルイーズ・シャノン男爵令嬢という秘密の恋人がいたのである。 とはいえ、親の決めた結婚を自分から破棄するわけにもいかない。 だったら、ジュリアの方から破棄を申し出るようにさせればいいと、計画を練り始めた。 ダニエルは友人のケイン・オーモンド侯爵令息に頼んで、ジュリアを誘惑してもらうことにした。 計画通りにジュリアがケインを好きになれば、自分との婚約を破棄したいと言い出すに決まっている。 ダニエルとルイーズは勝利を確信して微笑みあったのだったが、なかなか計画は順調には進まなくて……?
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文字数 66,131 最終更新日 2023.05.19 登録日 2022.11.17
ナディア伯爵令嬢は社交界デビューの日、ナタリー王国の王子ハロルドに、突然プロポーズされた。 一目惚れしたのだと口説かれ、そのまま2人はめでたく婚約することに。 もちろん両親は大喜び。 引っ込み思案のナディアは気後れしていたものの、誰もが憧れるイケメン王子との婚約に、やはり胸をときめかせた。 ところが、ハロルドがナディアに優しくしてくれたのは、この日だけだった。 実は、一目惚れしたというのは、まるっきりの嘘。 両親に、早く結婚相手を見つけろとうるさく言われたハロルドが、大人しそうな女なら誰でも良いと、適当に選んだ相手こそが、ナディアだったのである。 厳しいお妃教育が始まった上、彼を狙っていた女性達にはイジメられ、しかも当のハロルドは姿も見せない。 この状況にナディアの苛々は募るばかり。 とうとう我慢の限界を迎えた彼女は、皆の注目を浴びながら、婚約破棄を宣言してやったのだった。 ところがハロルドは、素直に婚約破棄を受け入れるどころか 「心から愛しているのだから、そんなこと言わないでくれ」 と泣きついてきた。 もちろんこれも、彼の策略である。 そして、ナディアにだけ見えるように、こっそり舌を出して見せてきたものだから、彼女は怒り心頭! 何がなんでも婚約破棄してやると心に誓ったのだった……!
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文字数 76,762 最終更新日 2023.04.28 登録日 2022.10.07
地味で大人しいカトリーヌと、可愛らしく社交的なレイラは、見た目も性格も対照的な姉妹。 本当はレイラの方が姉なのだが、『妹の方が甘えられるから』という、どうでも良い理由で、幼い頃からレイラが妹を自称していたのである。 誰も否定しないせいで、いつしか、友人知人はもちろん、両親やカトリーヌ自身でさえも、レイラが妹だと思い込むようになっていた。 そんなある日のこと、『妹の方を花嫁として迎えたい』と、スチュアートから申し出を受ける。 しかしこの男、無愛想な乱暴者と評判が悪い。 レイラはもちろん 「こんな人のところにお嫁に行くのなんて、ごめんだわ!」 と駄々をこね、何年かぶりに 「だって本当の『妹』はカトリーヌのほうでしょう! だったらカトリーヌがお嫁に行くべきだわ!」 と言い放ったのである。 スチュアートが求めているのは明らかに可愛いレイラの方だろう、とカトリーヌは思ったが、 「実は求婚してくれている男性がいるの。 私も結婚するつもりでいるのよ」 と泣き出すレイラを見て、自分が嫁に行くことを決意する。 しかし思った通り、スチュアートが求めていたのはレイラの方だったらしい。 カトリーヌを一目見るなり、みるみる険しい顔になり、思い切り壁を殴りつけたのである。 これではとても幸せな結婚など望めそうにない。 しかし、自分が行くと言ってしまった以上、もう実家には戻れない。 カトリーヌは底なし沼に沈んでいくような気分だったが、時が経つにつれ、少しずつスチュアートとの距離が縮まり始めて……?
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文字数 58,031 最終更新日 2023.04.22 登録日 2022.12.30
有名な3人組がいた。 アリス・マイヤーズ子爵令嬢に、マーティ・エドウィン男爵令息、それからシェイマス・パウエル伯爵令息である。 整った顔立ちに、豊かな金髪の彼らは幼なじみ。 いつも皆の注目の的だった。 ネリー・ディアス伯爵令嬢ももちろん、遠巻きに彼らを見ていた側だったのだが、ある日突然マーティとの婚約が決まってしまう。 それからアリスとシェイマスの婚約も。 家の為の政略結婚だと割り切って、適度に仲良くなればいい、と思っていたネリーだったが…… 「ねえねえ、マーティ!聞いてるー?」 マーティといると必ず割り込んでくるアリスのせいで、積もり積もっていくイライラ。 「そんなにイチャイチャしたいなら、あなた達が婚約すれば良かったじゃない!」 なんて、口には出さないけど……はあ……。
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アリシアは公爵令嬢としての身分を隠し、平民の格好をして、村へ遊びに出かけるのが楽しみだった。 好きでもない婚約者、ビクターとの結婚式が来月に迫っていることもあり、残り少ない自由な時間を満喫していたのである。 しかし、ある日突然、ビクターから婚約破棄を申し入れられる。 理由は、運命の人に出会ってしまったから。 両親は嘆いたが、アリシアは面倒な結婚から逃れられて大層喜んだ。 ところが……いつも通り平民に変装していたアリシアの前に、ビクターが現れると、いきなりプロポーズしてきたのである。 彼の言う運命の相手とは、アリシアのことだったのだ。 婚約破棄されて自由になったはずのアリシアだったが、ここからさらなる面倒ごとに巻き込まれていく。
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伯爵令嬢のシェリナ・ブライスはモーリス・アクランド侯爵令息と婚約をしていた。 もちろん互いの意思などお構いなしの、家同士が決めた政略結婚である。 何しろ決まったのは、シェリナがやっと歩き始めたかどうかという頃だったのだから。 けれども、それは初めだけ。 2人は出会ったその時から恋に落ち、この人こそが運命の相手だと信じ合った……はずだったのに。 「私はずっと騙されていたようだ!あなたとは今日をもって婚約を破棄させてもらう!」 モーリスに言い放たれて、シェリナは頭が真っ白になってしまった。 しかし悲しみにくれる彼女の前に現れたのは、ウォーレン・トルストイ公爵令息。 彼はシェリナの前に跪くなり「この時を待っていました」と彼女の手を取ったのだった。
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文字数 40,385 最終更新日 2022.09.03 登録日 2022.07.16
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