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世の恋人たちはいつ結婚を決めて、幸せになるのだろう?
ふとそう思うことがある。
千葉恵はSNSに流れてくる結婚報告を眺めていた。
結婚は恋人たちの最終地点だ。
ウェディングドレスを着て幸せそうに笑っている友人の写真を見て、恵の心は揺れていた。
彼とは同棲していて、もう7年も付き合っている。
「そろそろ私たちも結婚とか、どう?」
「ん〜、いつかしたいとは思うけど、タイミングとかあるじゃん」
そのタイミングとやらを、もう何年も待っている。
来年30歳になる千葉恵は決断を迫られていた。
世の恋人たちはいつ結婚を決めて、自由を捨てるのだろう?
ふとそう思うことがある。
岸本航平はSNSに流れてくる夫婦の愚痴を眺めていた。
結婚は墓場だ。
懸命に稼いだお金を搾取され、友人と遊ぶ自由さえも失われる。
世の中には数えきれない女性がいるというのに、その中のたった1人としか愛し合うことが許されない制約。
「でも、そもそも結婚ってする必要ある?俺たち別に今のままでも幸せじゃん」
「え〜、そうだけど、やっぱ結婚したいじゃんか。子供も欲しいし」
結婚をしたくないわけじゃない、でも今じゃない。
まだ遊んでいたいし、正直に言うと、リスクなく浮気もしたい。
もちろん、いつかはこの人と結婚したい。
それは偽りのない想いだ。
来年33歳になる岸本航平は決断を遅らせていた。
文字数 1,988
最終更新日 2025.01.03
登録日 2025.01.03
「号外!!号外!!」
伝書係が大声をあげて村中を駆け回る。
その紙面にはこう書かれていた。
[勇者様、魔王城へ向けて出発]
昨今、魔物の悪行が繰り広げられているこの世の中を変えるため、セイギーノ王国の王子様であるフラペチーノ様が魔王討伐のために城を出られたとのことだった。
遂にこの日がやってきた。
その号外を読んだタイクーツ村の村民であるアッパレーは心躍らせていた。
フラペチーノ様は生まれた瞬間から魔王討伐のために育てられている、と聞かされたことがあった。
勉学、武術、剣術、魔術、、、その全てを魔王を倒すために叩き込まれているのだ。
誰もがフラペチーノ様が魔王を倒してくれると期待していた。
だが、アッパレーだけは違った。
魔王討伐のために鍛錬を積むフラペチーノ様の存在を知った数年前から、アッパレーも鍛錬を始め、今日この日を待ち侘びていたのだ。
「勇者様と共に、魔王討伐に行ってきます!」
アッパレーは大きな木こり斧を担いで、広場に集まる村人たち達に対し、声高らかに言い放った。
この物語は愚直な村人アッパレーが魔王討伐に向かう勇者様御一行を追いかけ、奇跡を起こす心温まるファンタジーです。
文字数 51,725
最終更新日 2024.09.10
登録日 2024.06.01
山下徹(30歳)は精神病の方々の職業指導員として働いている。
音楽クリエイターになるという夢を持ちながら、忙しい毎日を送っていた。
四歳の灯と二歳の風花、結婚五年目になる妻の雪乃と妻の家族と共に過ごしているが、子育ての過酷さと肩身の狭さに心が折れかけていた。
そんなある日、音楽クリエイターとして大きな仕事を獲得することとなる。
夢への第一歩として絶対に失敗するわけにはいかないと意気込む徹。
しかし、役職を持っている本業を蔑ろにするわけにも父親業を放棄するわけにもいかないジレンマの中で、家族との関係性は悪化していく。
眠れない日々が続き、徹の心と身体は疲弊していた。
どうにか活路を見出そうと奮闘する徹だったが、とある夜に完全に心は崩壊する。
夢の狭間で、キャリアの途中で、果たして徹は父として生きることが出来るのか?
この作品はこの世の全ての父親に送る、心震える物語です。
時間がないことに苦しんでいる人、家族との関係性が良くない人、子育てがシンドイ人、心が病んでしまっている人、夢がある人に是非読んで頂きたいです!
文字数 45,804
最終更新日 2024.05.01
登録日 2024.04.08
登場人物のほとんどが実際にこの世に存在する人間をモチーフに書かれています。
・長編ファンタジーをガッツリ読みたい!!
・熱い展開が好き!!
・魅力的なキャラクターを愛でたい!!
・妄想が止まらない想像力豊かな方!
そんな方にオススメの作品です。
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かつてグレイス共和国は空から降る謎の六人に滅ぼされた。
新たに王に君臨したのは黒い鎧に身を包んだ漆黒の騎士。
グレイス共和国はグレイス王国と名前を変えて、他国との戦乱に呑まれていく。
そんな中、グレイス王国で騎士となることを目指す一人の青年がいた、名はツグル。
そしていつもその隣にはセリアという可憐な少女がいた。
セリアは歌うことで全ての物質を再生するリバイバルボイスという不思議な力を使うことが出来る、この力は前女王であるセレスティア様から譲り受けたものだった。
それを知るのは、今となってはツグルただ一人のみ。
ツグルはセリアが王族であることを隠しながら、漆黒の騎士は何者なのか、王都陥落のあの日何があったのかを探っていた。
王都陥落のあの日、女王御用達の商人である父は城内にいたはずだ。
あの日から父は消息を絶っている。
騎士になれば少しは真実に近づくことが出来るだろうか?
そんなことを考えていたとある日。
ツグルとセリアはかつて王国を滅ぼした六人のうちの一人と出会う。
沢山の人々が各々の立場で、思考でこの世界で生きている。
この物語はセリアの声を巡る壮絶な物語である。
文字数 578,458
最終更新日 2023.11.21
登録日 2017.01.04
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