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人々が様々な惑星に移住を始めるようになった頃。人々は死を克服した。
死を克服するのは簡単ではなかった。人間の肉体は病気になるし、歳を取る。まずこの問題を解決するために、人は体を機械の体に置き換えた。これによって病気もケガも劣化も、パーツの交換一つで、克服するに至った。
しかし、まだ問題が残った。事故である。街を歩いているだけでも事故は起こってしまう。これを回避するために、人々は、事故防止機構「ヒューマンセーブプログラム」を張り巡らせた。車が突っ込んでくれば、プログラムが働き、車を強制的に停車させる。上から鉄骨が降ってくれば、建物や街灯に仕込まれたシールドが展開し、人を守る。
しかしそれでも、問題は残った。精神の病である。事故も病気も克服し、死など怖いものではなくなったはずなのに、人々は何かに怯え、自ら命を絶つ。それを何とか防ごうと、人々は「メンタルセーブプログラム」を成立させた。
人の体に埋め込まれたナノマシンが、精神状態の分析を常に行い、異常が認められたら、医療施設へ受診を促す。「メンタルセーブプログラム」成立により、自殺は0となったが、その代わりに、各地の精神医療施設はフル稼働で人の悩みを解決するようになった。
文字数 20,578
最終更新日 2023.10.03
登録日 2019.01.16
少年は不治の病である。生まれてからずっと、少年はベッドの上。生きることとは何か。死とは何か。少年には分からない。
少年は突発的に旅に出る。それは生死を探る一人旅。
その果てにあるのは何か、誰にも分からない。少年にも分からない。
文字数 5,332
最終更新日 2019.02.16
登録日 2019.02.16
当たり前の日常、いつもの電車、普段通りの職場、そんな生活に飽き飽きした主人公・将生は異世界に向かうべく来る日も来る日もオカ板に張り付く。
そんなある日、同僚にと共に向かった旅行先で将生に数々の異変が起こる。
文字数 6,134
最終更新日 2019.01.17
登録日 2019.01.17
夜の住宅街を男が一人歩いている。
住宅の明かり。街灯の明かり。夜空はそれらに照らされ、見上げても星を見ることはできない。
そこに必ずあるはずのものを、見ることができないというのはなんだか悲しい。
だがそもそも男は空を見上げない。男には空を見上げる元気がない。
男は疲れ切っている。なぜなら、男は毎日あることを隠しながら生きているのだ。
男には、羽が生えている。
文字数 4,335
最終更新日 2019.01.17
登録日 2019.01.17
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