3
件
星屑オペラッタ~わすれな姫は若さを手にした賢者様に甘やかされる~のもしも話です。
西の偏狭、ウィークラッチの孤島に聳え立つ国立図書館。
その最上階に住み着くとんだ落ち零れ、学者崩れの総館長と、 彼の”出来た”助手を今年で三年勤め上げている皇家の末姫君。
これは、そんな二人のお話。
文字数 159,249
最終更新日 2023.07.14
登録日 2023.06.02
まだこの世界に神が沢山いた頃。
『我が君』『我らが君』
そう、守護神と定めた神を呼び慕い、時に神の求めに応じて神の花嫁を出す国があった。
テュティは王の娘にして、数えで六つの時、此度の神の花嫁に選ばれた。
けれど、テュティが数えで十七を迎えようとするある時、婚姻は破棄された。
突如起こった轟音と閃光によって、テュティの嫁ぐ『我が君』『我らが君』はおろか、今まであった凡その神の気配がすべて消えてしまった。
神が去った後。
残されたのは、なにがしかがあったと思わしき、変わり果てた大地と、今まで盲目に神に縋っていた人々。
残虐なテュティの実の兄は、この機に己を神と立てる計画をまことしやか、父王に吹き込む。
新たな神となる為には、前の神から花嫁を奪う必要がある。
実の兄妹での契りは絶対の禁忌。神はもういない。
そんな中で、テュティはある決断をする。
これは、神に棄てられた巫女姫の決断と、確かな恋の物語。
文字数 31,936
最終更新日 2023.06.17
登録日 2023.06.17
星屑オペラッタ
~若さを手にしたバケモノとガラクタ頭の物語~
自サイトにて、エピローグ更新。完結しました。
こちらへは1章書き直しのみ掲載です。
※ ※ ※ ※ ※
ソフィレーナ・ド・ダリルには四つのケチがつく。
一つ目。
この国の建国神である女神の血を引くとされる唯一の皇家、ダリル家の落ちこぼれとして生まれてきたこと。
二つ目。
一度見た物聞いた事はなんでも覚えて忘れない絶対記憶脳保持者。
三つ目。
名前が、哲学を元にしてのソフィレーナ。
四つ目。
カビの研究が大好き。
そんな彼女のお仕事は、異世界に行って若返って帰ってきた不摂生常習犯の学者馬鹿ケルッツア・ド・ディス・ファーンの助手である。
「ケルッツア・ド・ディス・ファーン」
「ソフィーレンス君」
お互い可笑しな呼び名で呼び合って早三年。
今日も今日とて彼女は、職場である西の孤島の国立図書館を上へ下へと駆けまわる。
折しも今日は王都を上げての無料オペラッタ公演の日。
同僚や上司の思惑も知らず、ケルッツアと一緒に国立図書館に居残ったソフィレーナは、いつものようにケルッツアへの淡い思いを隠しつつ残業作業にとりかかった。
けれど待っていたのは流星群の鑑賞会。
「ちょっとした、僕からのおれいだ」
急に優しいケルッツアに混乱しつつも、星空の下、二人は語り合う。
絶対記憶脳を持った本当は甘えん坊の末姫君と、学者馬鹿で頑固で子供な賢者様が相手を受け入れていくお話です。
文字数 158,570
最終更新日 2023.02.07
登録日 2019.07.26
3
件