にのみや朱乃

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更新時には真面目にXで呟くことにしました。
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ファンタジー 完結 ショートショート
 或る街に若く美しい娘が居ました。  多くの男が彼女に求愛しました。けれど、彼女が受けることは有りません。  彼女は愛を疑っていました。揺るがぬ愛など存在しないと固く信じていたのです。愛など、いずれ脆く崩れ去るものだと思っていたのです。  その街を魔女が訪れます。  税を滞納していた領主を裁きに来たのだと、誰もが悟りました。  領主はあの娘に命じます。  魔女を欺け。税の滞納を悟られぬように。  そうして、魔女と娘は出逢います。  そうして、娘は揺るがぬ愛を識るのです。  これは、彼女が幸せに過ごしていた頃の記憶。
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文字数 3,366 最終更新日 2020.11.21 登録日 2020.11.21
ファンタジー 完結 ショートショート
 或る国に莫大な財を有する少女が居ました。  けれど、少女は財を求めていたわけではありません。  少女は死を求めていました。永遠の生を閉ざす方法を。  少女は貧しい国で語ります。  わたしの願いを叶えられた方に、財の全てを差し上げましょう。  さあ、どなたか、わたしを殺してください。  誰も少女を殺せない中、或る青年が現れます。  青年は告げました。僕ならば、貴女の命を奪うことができます。  青年は識っていたのです。  少女が真に求めているものを、どうすれば与えられるのか。  だからこそ、青年は少女に寄り添ったのです。    自らが哀しき運命に縛られているとは知らずに。  
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文字数 3,260 最終更新日 2020.11.13 登録日 2020.11.13
ファンタジー 完結 ショートショート
 少年は魔の力を求めていました。病に倒れた母を救うために。  けれど、少年は男が魔の力を扱えないと知ります。  絶望する少年に、一羽の烏が囁きます。  我が主人ならば貴方にも魔の力を与えられます。  烏が提示した条件は、魔女のために働くこと。  少年は与えられた剣を握り、命じられるままに殺戮を繰り返します。  何故剣を振るっているのか忘れてしまうほどに。  これは、ある少年の絶望と復讐と贖罪の物語。
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文字数 4,463 最終更新日 2020.10.11 登録日 2020.10.10
ファンタジー 完結 ショートショート
 少年は思い悩んでいました。  最早この地は地獄なのだ。この地に生を受けた時点から、僕は速やかに去ることを神に求められているのだ。  少年は集合住宅の屋上から身を投げる計画を立てます。  優しい両親には知られずに。  それこそが、両親の幸せを守る方法だと疑わずに。  けれど、白い烏が現れ、語ります。  絶望から逃げるために、何故お前は死を選ぶのだ。  どうか、どうか、自殺しないでください。  白い烏はその願いを少年に伝えます。
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文字数 3,047 最終更新日 2020.09.28 登録日 2020.09.28
ファンタジー 完結 ショートショート R15
 或る豊かな国の王は、どの家臣よりも魔女を信頼していました。  故に、この国は汚れた魔女の国、国王は魔女の傀儡と揶揄されていました。  家臣に、民に何を言われようと、国王は魔女の助言に従いました。  国王は魔女を愛していました。  魔女も心の中では国王を愛していました。  いつまでも、その愛と豊かさが続くはずでした。  けれど、その地は国ではなくなりました。  道を違えたのは、国王か、家臣か。それとも魔女自身か。
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文字数 3,016 最終更新日 2020.09.26 登録日 2020.09.26
ファンタジー 完結 ショートショート
 その村は一年に一度、人喰い龍に生贄を捧げていました。  その村には大変美しい娘がいました。誰もが次の生贄はその娘と噂し、その娘は人喰い龍から生贄に指名されました。  村を守るのは名誉。村娘はそう育てられています。  生贄の娘は微笑みます。わたしがこの村を守れるのですね。  愛する男が儀式を止めようとしても、生贄の娘は拒みます。  貴方のためなら、生贄など怖くありません。  生贄の儀式の日。生贄の娘が生贄を望んだ理由とは。
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文字数 3,912 最終更新日 2020.09.23 登録日 2020.09.21
ファンタジー 完結 ショートショート
 その港町には立派な灯台が有りました。  灯台を操る灯台守の女性は使命感を抱いていました。  いつまでも、海に光を灯さなければ。愛する船乗りが無事に帰ってこられるように。  けれど、その光が途絶える時が来ました。  船乗りは貴族の娘と恋に落ち、灯台守を裏切ってしまいました。  これは、生きる希望を失った灯台守と、灯台守を愛した海星のお話。
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文字数 3,164 最終更新日 2020.09.18 登録日 2020.09.18
ファンタジー 完結 ショートショート
 声が聞こえた。私を呼ぶ声だ。  声の主は随分と遠くに居た。あまりにも煩いから私はその喉を締め上げに行くこととした。  雪深い山の中で、仕えるべき魔女を求めている烏。  雪深い山の中で、仕えるべき魔女に逢う前に落ちた烏。  意志を持つ大雪が烏を飲み込もうとしていた。  これは、喧しい烏が魔女を見つけた物語の裏側。    
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文字数 7,761 最終更新日 2020.09.16 登録日 2020.09.16
ホラー 完結 ショートショート
 夏の風物詩とも言える蝉。朝早くから鳴く蝉を眺めながら、彼女は語る。  あれって、昔死んだ武士の怨念の声なんだよ。  憎い、辛い、痛い、熱い。そう叫んでるの。  窓の外から見える電柱に蝉が止まった。  あ、ほら、あれとか。彼女はそう言ってその蝉を指した。  これは、ほんの少しだけ蝉が怖くなるかもしれない話。
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文字数 4,693 最終更新日 2020.09.14 登録日 2020.09.14
ファンタジー 完結 ショートショート
 雪深い山の中に烏が飛んでいきます。  烏は魔女を捜していました。自らが仕えるべき魔女を。  大雪は烏を拒みます。この白き世界に黒は要らぬ。在ってはならぬ。  烏の翼はやがて凍り、烏は雪の上に落ちました。  そこへ、銀世界に佇む魔女が現れます。  烏も、大雪も、魔女に運命を変えられてしまうのです。
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文字数 2,341 最終更新日 2020.09.12 登録日 2020.09.12
ファンタジー 完結 ショートショート
 その若い魔女はどんな傷も病も掴める手を持っていました。その癒しの手で人々を治癒するうちに、魔女でありながら癒しの聖女と呼ばれるようになりました。  けれど、自身は魔女だと考えている彼女にとって、聖女と呼ばれるのは苦痛です。住処の土地が疲弊する頃、彼女は闇夜に紛れて姿を消しました。  やがて、その地に原因不明の流行病が蔓延します。誰もが癒しの聖女を捜しました。自身が救われるために。  貧しい娘もその一人でした。貧しい娘は若い魔女を捜します。  その罪を、その身を、裁くために。
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文字数 2,958 最終更新日 2020.09.08 登録日 2020.09.08
ホラー 完結 ショートショート
 私は親友の彼氏を奪おうと画策していた。  世界一幸せな女のように振る舞う親友の姿は、遠目からでも眩しすぎた。羨ましすぎた。だから奪うことにした。その幸せを。  あと少し。私は確かな手応えを感じていた。  ある夏の夜だった。嵐の中、私は親友の帰りを待ちながら、自分の作戦を進めていた。  雷鳴が轟いた。窓の外を見ると、白いコート姿の女が私を見ていた。きっと、笑いながら。 「見ぃつけた。泥棒猫」
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文字数 5,004 最終更新日 2020.09.03 登録日 2020.09.03
ファンタジー 完結 ショートショート
 ある国に眠り姫と呼ばれる姫君が居ました。  眠り姫は何よりも眠ることが好きでした。  ある夜、眠り姫は大きな烏を部屋に迎え入れます。  翌日から、眠り姫は目を覚ましませんでした。  国中は大騒ぎになり、国王の命令で魔女狩りが始まりました。  国は猜疑心で疲弊していきます。  やがて眠り姫は目覚めます。  いいえ、眠り姫が、目覚めてしまいます。
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文字数 2,646 最終更新日 2020.08.29 登録日 2020.08.29
 向かいのマンションでは、居住者が一様に寝具を干していた。ベッドの敷きパッド、タオルケット、毛布、とにかく寝具を干すことが規約に定められているのかと思うほど、晴れた日にはベランダに寝具が並んでいた。それは居住者が変わっても同じで、俺はずっと不思議に思っていた。  ある時、俺はそのマンションに住む女子大生のエリカと仲良くなる。暑い夏の夜、仕事を終えて俺が帰宅すると、エリカが俺のマンションの前で待っていた。  事情を訊くと、エリカはこう言った。 「干せなかったんです、今日」  なぜ干さなければならないのか。  干さなければどうなるのか。  その夜、俺は身を以て知ることとなる。
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文字数 13,369 最終更新日 2020.08.24 登録日 2020.08.24
ファンタジー 完結 ショートショート
その国では石になる奇病が蔓延していました。 人々は怯えていました。次は、この村が。 人々は神に祈りました。助けを請いました。 その村を二人の魔女が訪れました。 白の魔女、黒の魔女、村人が信じたのは白の魔女でした。 白の魔女は笑いました。良いでしょう、救いましょう。 その国には物言わぬ石像が立ち並んでいました。 愛する聖女を捜す旅人は、周囲の反対を押し切ってその国に足を踏み入れます。 愛する聖女の成れの果て。 誰も解けなかった石化。誰も裁けなかった魔女。 烏は全てを見届けます。
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文字数 7,762 最終更新日 2020.08.20 登録日 2020.08.11
現代文学 完結 ショートショート
酒に酔ったときだけ天使に逢えた。 その天使は死んだ娘にそっくりで、俺は彼女に逢うために毎晩酒を呑んでいた。彼女に逢えれば幸せな気持ちになれた。 彼女は語る。今日もあなたの命日でした、と。 彼女が来ない日。もしその日が来たら。俺には以前から決めていたことがあった。 そして、遂にその日が来た。
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文字数 7,194 最終更新日 2020.08.09 登録日 2020.08.09
現代文学 完結 ショートショート
最期の日と定めた日、ぼくは真っ白な占い師に出会った。 その占い師は死ぬなら三日待てと言う。ぼくは占い師の提言に従い、三日待つことにする。 三日後、ぼくは。
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小説 193,911 位 / 193,911件 現代文学 8,636 位 / 8,636件
文字数 3,900 最終更新日 2020.08.06 登録日 2020.08.06
現代文学 完結 ショートショート
人生をアップデートしませんか。 大学生の俺は、ある日突然そんなメールを受け取る。面白がって返信すると、相手は一時間後にアップデートを届けるという。 自分は優秀で、評価されるべき人種だと思っていた。遂にその時が来たのだ。俺は、期待して人生のアップデートが届くのを待っていた。 その中身を想像することもなく。
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文字数 3,956 最終更新日 2020.08.05 登録日 2020.08.05
現代文学 完結 ショートショート
僕は父親を憎んでいた。定職に就かず、家庭を壊すだけの父親を。けれど、僕は見ていることしかできなかった。 僕は彼女に出会った。彼女は言った。 取引をしましょう。私が貴方を、貴方の家族を救う。 その取引で、僕が支払う対価は。
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小説 193,911 位 / 193,911件 現代文学 8,636 位 / 8,636件
文字数 3,147 最終更新日 2020.08.04 登録日 2020.08.04
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