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高校受験に見事失敗した俺は、生産性のない日々を過ごしていた。
特に面白みもない日常の中で、ある日隣のクラスの女子生徒が話しかけてきた。
彼女は俺の名前を確認した後、唐突にこう言った。
「祖父の秘密を暴いて欲しいんです」
いやいや待て待て。
身も知らずの女子生徒からのよく分からないお願い事に、俺はただただ困惑していた。
しかし、彼女は俺の隣に家に住む綾姉の従姉妹だった。
どうやら、その綾姉が俺に相談するようにアドバイスをしたらしい。
一体何のために。
綾姉の頼みとあれば、特に断る理由もなかった俺はそれを易々と引き受ける。
その安請け合いした事によって、あんなことになろうとは。
文字数 22,773
最終更新日 2024.05.16
登録日 2024.04.30
大晦日。
皆が年が明けるこの瞬間を楽しみにしている。
僕は、憂鬱で仕方がない。
今年一年は良いことがまるで無かったが、来年は更に災難が降りかかるという。
その前兆として、靴紐が切れ、黒猫が横切り、そして年が明ける前に不吉な夢を見た。
誰かこの負のスパイラルを止めてくれ!と願っていた矢先、幼馴染の美沙から初詣に誘われる。
神にお祈りでもすれば、厄を払ってくれるだろうか。
文字数 2,291
最終更新日 2024.05.05
登録日 2024.05.05
学園のアイドルである明間華は、その名の通り高嶺の花であり、少なくともクラスメイトの一人としてしか認識されていない僕が間違っても近づいてはいけない存在だと言うことは自覚している。
二度と交わることは無いのだろう、と思っていた僕だったが、父が転勤する事となり、その話をキッカケに当たって砕けろ精神で想いを伝えるための手紙を渡すことに。
直接渡す勇気がない僕は彼女の机の中に手紙を入れる事にした。
優等生の彼女の机の中は教科書ひとつ残っていない。
机の中に手を突っ込む。
ガサっと、何かが手に触れた。
僕の他に誰かが手紙を入れたのだろうか。僕はそれを取り出す。
それは一枚の真っ黒な封筒だった。
僕は、生唾を飲み込みそれを開けようとした。
瞬間、音色のように弾む声が背後から聞こえてきた。
「みーつけた」
可憐で、でもちょっと変わっている彼女は、今まさに死の淵に立っていた。
文字数 8,486
最終更新日 2024.05.05
登録日 2024.04.30
この春、念願だった難関大学に合格した俺は夢のキャンパスライフに想いを馳せていた。
しかし、入学式当日。
式典が終わり、新たに出来た友人と校内の長い階段を降りている最中の事だった。
突如、何者かによって後ろから背中を押された。
勢いよく階段を転がっていき、腕と頭を強打した俺は薄れゆく意識の中で、一人の人間がじっと俺の方を見ていることに気がついた。
彼女は、じっと俺を見た後、まるで天使の如く笑ったのだ。
彼女の事を俺は知っている。
同じ私立中学に通っていた彼女とは、そこまで親しい間柄じゃなかったが、俺の記憶には彼女が鮮明に残っている。
何故なら、中学校の卒業式の時も俺は今日のように階段から背中を押されたのだ。
どうやら俺は、彼女に狙われているらしい。
文字数 119
最終更新日 2024.04.30
登録日 2024.04.30
十八年間モテた試しが無かった俺こと童定春はある日、幼馴染の藍良舞に告白される。
校内一の人気を誇る藍良が俺に告白⁈
これは何かのドッキリか?突然のことに俺は返事が出来なかった。
不幸は続くと言うが、その日は不幸の始まりとなるキッカケが多くあったのだと今となっては思う。
その日の夜、小学生の頃の友人、鴨居常叶から当然連絡が掛かってきたのも、そのキッカケの一つだ。
話の内容は、強制憑依アプリという怪しげなアプリの話であり、それをインストールして欲しいと言われる。
頼まれたら断れない性格の俺は、送られてきたサイトに飛んで、その強制憑依アプリをインストールした。
まさかそれが、運命を大きく変える出来事に発展するなんて‥。当時の俺は、まだ知る由もなかった。
文字数 80,217
最終更新日 2024.04.29
登録日 2023.10.27
小さい頃から文武共に才能を発揮していた大門入人は、周囲から大物になると噂されその将来を嘱望されていた。期待通りの学校・会社に就職した彼は、そのままエリート街道を突き進んでいく。
しかし、幼い頃に抱いていた教師になるという夢はずっと胸の中で燻り続けており、父の死をキッカケに転職することを決意する。
いよいよ念願の教師生活が始まると思った矢先、中学生の時のクラスメイトから動画が添付されたメッセージが届く。
そのメッセージには、『催眠アプリ』という怪しげなアプリが入っていて‥
文字数 171,208
最終更新日 2024.04.29
登録日 2023.02.03
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