歴史・時代 戦車小説一覧

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歴史・時代 連載中 長編 R15
 アラン・フルーリーは兵士になった。  軍服を着たいと思ったことなどなかったが、それが、彼の暮らす国、イリス=オリヴィエ連合王国での[義務]なのだから、仕方がない。  マグナ・テラ大陸の南側に突き出た半島部と、そこに連なる島々を国土として有する王国は、[連邦]と[帝国]という二大勢力に挟まれた永世中立国だった。  王国に暮らす人々には、誰かに押しつけたい思想も、誇示したい権威もない。  ただ、自分たちのありのままの姿で、平穏に暮らせればそれでよかった。  だから中立という立場を選び、連邦と帝国が度々、[大陸戦争]と呼ばれる大戦を引き起こしても、関わろうとはしなかった。  だが、一口に[中立]と言っても、それを維持することは簡単ではない。  連邦、あるいは帝国から、「我々に味方しないのであれば、お前も攻撃するぞ! 」と脅迫された時に、その恫喝を跳ねのけるだけの力が無ければならない。  だから、王国は国民皆兵を国是とし、徴兵制を施行している。  そこに暮らす人々はそれを、仕方のないことだと受け入れていた。  国力で圧倒的に勝る二大勢力に挟まれたこの国が中立を保ち、争いに巻き込まれないようにして平和を維持するためには、背伸びをしてでも干渉を拒否できるだけの備えを持たなければならなかったからだ。  アランは故郷での暮らしが好きだった。  牧歌的で、自然豊かな農村での暮らし。  家族と、愉快で愛らしい牧場の動物たち。  そこでの日々が性に合っていた。  軍隊生活は堅苦しくて、教官役の軍曹はしょっちゅう怒鳴り散らすし、早く元の生活に戻りたくて仕方がなかった。  だが、これも義務で、故郷の平穏を守るためなのだからと、受け入れた。  幸い、新しく配属になった分隊は悪くなかった。  そこの軍曹はおおらかな性格であまり怒鳴らなかったし、仲間たちもいい奴らだ。  この調子なら、後一年残っている兵役も無事に終えられるに違いない。  誕歴3698年、5月22日。  アランは、家に帰ったら母親が焼いてくれることになっているターキーの味わいを楽しみにしながら、兵役が終わる日を待ちわびていた。  これから王国と自身が直面することになる運命など、なにも知らないままに……。   ※本作の本編、「イリス=オリヴィエ戦記」は、カクヨム、小説家になろうにて掲載中です。長編であるためこちらに転載する予定は今のところありません。
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小説 25,010 位 / 184,954件 歴史・時代 181 位 / 2,212件
文字数 36,931 最終更新日 2024.05.17 登録日 2024.04.27
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。 ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。 また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。 その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。 この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。 またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。 この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず… 大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。 【重要】 不定期更新。超絶不定期更新です。
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文字数 96,511 最終更新日 2023.10.25 登録日 2019.03.23
1947年11月ーー 北海道に配備された4式中戦車の高初速75ミリ砲が咆哮した。 500馬力に迫る空冷ジーゼルエンジンが唸りを上げ、30トンを超える鋼の怪物を疾駆させていた。 目指すは、ソビエトに支配された旭川ーー そして、撃破され、戦車豪にはまった敵戦車のT-34の鹵獲。 断末魔の大日本帝国は本土決戦、決号作戦を発動した。 広島に向かったB-29「エノラゲイ」は広島上空で撃墜された。 日本軍が電波諜報解析により、不振な動きをするB-29情報を掴んでいたこと。 そして、原爆開発情報が幸運にも結びつき、全力迎撃を行った結果だった。 アメリカ大統領ハリー・S・トルーマンは、日本本土への原爆投下作戦の実施を断念。 大日本帝国、本土進攻作戦を決断する。 同時に、日ソ中立条約を破ったソビエトは、強大な軍を北の大地に突き立てた。 北海道侵攻作戦ーー ソビエト軍の北海道侵攻は留萌、旭川、帯広を結ぶラインまで進んでいた。 そして、札幌侵攻を目指すソビエト軍に対し、旭川奪還の作戦を発動する大日本帝国陸軍。 北海道の住民は函館への避難し、本土に向かっていたが、その進捗は良くはなかった。 本土と北海道を結ぶ津軽海峡はすでに米軍の機雷封鎖により航行が困難な海域となっていた。 いやーー 今の大日本帝国に航行が困難でない海域など存在しなかった。 多くの艦艇を失った大日本帝国海軍はそれでも、避難民救出のための艦艇を北海道に派遣する。 ソビエトに支配された旭川への反撃による、札幌防衛ーー それは時間かせひにすぎないものであったかもしれない。 しかし、焦土の戦場で兵士たちはその意味を問うこともなく戦う。 「この歴史が幻想であったとしても、この世界で俺たちは戦い、死ぬんだよ―ー」 ありえたかもしれない太平洋戦争「本土決戦」を扱った作品です。 雪風工廠(プラモ練習中)様 「旭川の戦い1947」よりインスピレーションを得まして書いた作品です。 https://twitter.com/Yukikaze_1939_/status/989083719716757504
24h.ポイント 21pt
小説 25,010 位 / 184,954件 歴史・時代 181 位 / 2,212件
文字数 15,940 最終更新日 2021.04.06 登録日 2018.04.30
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