ファンタジー 平安時代風ファンタジー小説一覧
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皇帝の突然の崩御によって、国宝である護(まも)り刀『青剣(あおのつるぎ)』の力が失われてしまった、皇雅国(こうがのくに)。結界を失い、『あやかし』に村ごと喰われ天涯孤独の身となった沙夜(さよ)は、祖母の遺言に「後宮へ」とあったことで、皇都へ向かうことを決意する。
皇城では、腹違いの第一皇子と第二皇子の熾烈な後継争いが起きていた。人を喰らう『あやかし』と、盟約を結び力を貸すという『もののけ』が存在する国の中枢で、左大臣である九条は気を揉んでいる。青剣の力は皇帝でなければ継承できない。継承できなければ結界を維持することはできず、あやかしの跋扈する国となってしまう。ところが皇帝は皇太子すら定めず冥界へ渡ってしまったのだ。
番犬の玖狼(くろう)と共に皇都にやってきた沙夜を待っていた運命とは。そして、皇雅国を救えるのか。
※後宮の黒姫は、冥門に微睡むの加筆改稿板です。
※平安風オリジナルの世界観です。
※他投稿サイトでも公開しております。
文字数 106,580
最終更新日 2024.11.19
登録日 2024.10.31
都が地震に見舞われ、東国で噴火が相次ぐなか、駿河守に娘が誕生した。娘の誕生に沸く駿河守邸だが、霊峰富士の女神から、「この娘には重大な使命があるから、結婚させてはならない」と命じられた。
娘の誕生から数ヶ月後、右大臣から「この女を正妻にしてほしいと」と、駿河守は高貴な女性と生まれて半年程の姫を押し付けられた。この女性、右大臣正室の妹で、うっかり右大臣が手を出して妊娠させてしまい、家に置くわけにもいかないので、信頼のおける者に託すことにしたのだ。天下の右大臣に逆らえず、駿河守は泣く泣く本来の妻を側室に、右大臣に押し付けられた妻子を正妻と嫡子とした。
任期が明けて都に戻ると、駿河守は受領から一気に参議にまで引き上げられた。右大臣の采配によるものだが、元駿河守からすれば余計な気遣いで、本来の妻子と受領生活を続けたかった。
富士姫は成長と共に、幽霊や物の怪を倒す力を身につけた。ある貴族の、怨霊に取り憑かれて死にかけた息子を全快させたことで、榊の参議邸は連続、物の怪を恐れる貴族たちに押しかけられた。
慎ましやかな駿河の参議の名ばかりの正室朱華の御方と対照的に、我儘いっぱいに育った桜姫。実は桜姫は朱華の御方の娘ではなく、右大臣正室が生んだ双子の片割れだった。右大臣家に残された双子の姉は、将来の中宮になるべく大切に育てられたが、入内手前で急死してしまう。そこで桜姫が身代わりに女御として入内することとなった。桜姫がいなくなったことで、朱華の御方は正室の座を本来の正室に返し、駿河の参議の実子は嫡子に戻った。
後宮という伏魔殿で生きるには、桜姫には知性も教養も足りなかった。後宮で孤立した桜姫は、帝の弟と密通して不義の子を宿した。それがきっかけとなり、桜姫の実母は自害、右大臣は出家して、右大臣家は傾いた。捨てられるように監禁され孤独となった桜姫は、富士姫の仲介によって、養母の朱華の御方に救い出された。不義の子は命令通り、誕生後1年で遠い東国の寺院に送られた。桜姫と朱華の御方は都を離れて、懐かしい駿河の国に住み着いた。
成長した富士姫は、自身の誕生の真の理由を知る。国を次々襲う天変地異の正体は、本来、玉座に座る資格のない帝のせいだった。神々は、隠された正統な皇位継承者を探し出し、帝を交代させる使命を富士姫に託したのである。
昔、殺害された皇太子と皇后の怨霊が御所に現れる。それがきっかけで、帝は自身に皇位継承の資格がなかったことを知る。ショックだったが、国を思う心は本物だったので、富士姫の皇位継承者のすり替え計画に協力することとなった。その協力者として中宮、左大臣、その他が加わった。
富士姫が見つけ出した皇位継承権を持つ赤子を、中宮は実子として育て上げ、ようやく正統な血統の新たな帝を立てることに成功した。
文字数 99,184
最終更新日 2024.08.14
登録日 2024.08.14
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