トリックスター小説一覧
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セダ王国の王女リディアは、かつての敵国であった隣国ラダクール王国の王太子と婚約していた。そして婚前留学をするよう命じられたリディアの元に、護衛騎士となる男が挨拶に訪れる。
グレイ・ノアールと名乗った男の顔を見て、リディアは不思議な気分になった。
あれ、私この顔をどこかで見たことがあるような?
その事に気付いて倒れてしまったリディアは、この時に前世の記憶を蘇らせてしまう。
ここが昔遊んだ乙女ゲームの世界であること、推しキャラだったリディアの護衛騎士、クレイに殺される運命にあることに気が付いて途方に暮れる。
でも、ちょっと待って。グレイって誰?
リディアの護衛騎士はクレイ・モアールだったよね?
そこでリディアは嫌なことに気付いてしまった。
あの乙女ゲームには、クレイだけに起きる致命的なバグ、「バグレイ」というものが存在していたことを。
*タイトルはこんな感じですが、シリアスなお話です。
*他の小説サイトでも投稿しています。
文字数 87,463
最終更新日 2024.03.29
登録日 2024.03.24
北ヨーロッパ中世史の小さなエピソードをヒントにした、空想歴史ストーリー。
……
エリン島。
どこまでも連なる灌木の丘と、乳色の霧と、小王達が群雄割拠で並び立つ島。
・ ・ ・
「小王などなりたくない!」
そう泣いて嫌がった。だがガルドフ家の大人しい少年アーサフは、いきなり小国・リートムの小王に就かされてしまうことになった。
その時から数年間、重圧と自責と心労にもがきながらも必死で執政してきたアーサフの上に、ある日突然、飛んでも無い厄災が襲い掛かった。
彼が国を離れていた隙に、蛮族・バリマック族がリートムを急襲、領土を全て奪ってしまったのである!
奪われた王城には、政略婚を結んだばかりの妻・イドルもそのままに残されている。
一体どうすれば国を取り戻せるのだろうか……。
一体どうすれば妻を救出できるのだろうか……。
霧の中、追い詰められたアーサフの目の前にその時唐突に、一人の奇妙な少年が現れた。
――自称コソ泥の、“カラスのモリット”。
モリットは全てが謎の、しかし圧倒的な知力と行動力、そして魔的とも呼べる魅力を持った少年であった。
勿論アーサフには判っている。
“この少年を信じてはいけない”。
判っている。充分に判っている。だが判っていても、それでも、妻・イドルを敵の手から救出するためには今、モリットの力量に賭けるしかなかったのであった。
深いエリンの霧の中、アーサフはモリットと共に、敵の待ち構えるリートムへと出立していった。
そのアーサフを待ち構えていたのは、想像をはるかに上回る大きな陰謀と背信、そして運命の転換となってしまった。
文字数 190,198
最終更新日 2020.07.21
登録日 2020.07.15
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