陰謀&冒険小説一覧

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北ヨーロッパ中世史の小さなエピソードをヒントにした、空想歴史ストーリー。 …… エリン島。 どこまでも連なる灌木の丘と、乳色の霧と、小王達が群雄割拠で並び立つ島。 ・     ・     ・ 「小王などなりたくない!」 そう泣いて嫌がった。だがガルドフ家の大人しい少年アーサフは、いきなり小国・リートムの小王に就かされてしまうことになった。 その時から数年間、重圧と自責と心労にもがきながらも必死で執政してきたアーサフの上に、ある日突然、飛んでも無い厄災が襲い掛かった。 彼が国を離れていた隙に、蛮族・バリマック族がリートムを急襲、領土を全て奪ってしまったのである! 奪われた王城には、政略婚を結んだばかりの妻・イドルもそのままに残されている。 一体どうすれば国を取り戻せるのだろうか……。 一体どうすれば妻を救出できるのだろうか……。 霧の中、追い詰められたアーサフの目の前にその時唐突に、一人の奇妙な少年が現れた。 ――自称コソ泥の、“カラスのモリット”。 モリットは全てが謎の、しかし圧倒的な知力と行動力、そして魔的とも呼べる魅力を持った少年であった。 勿論アーサフには判っている。 “この少年を信じてはいけない”。 判っている。充分に判っている。だが判っていても、それでも、妻・イドルを敵の手から救出するためには今、モリットの力量に賭けるしかなかったのであった。 深いエリンの霧の中、アーサフはモリットと共に、敵の待ち構えるリートムへと出立していった。 そのアーサフを待ち構えていたのは、想像をはるかに上回る大きな陰謀と背信、そして運命の転換となってしまった。
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文字数 190,198 最終更新日 2020.07.21 登録日 2020.07.15
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