ヒロインは女神小説一覧

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主人公の新垣 寅(あらがき とら)は、何も変哲もないただの男子高校生。 今年の春で高校3年生になった。 勉学もスポーツも、クラス全体では中の中で、特に飛び抜けた能力はなかった。 ただ、少し好奇心旺盛で少し演技が上手かった。 専門でやっている人ほどではないが、たまに演劇部の友人に助っ人に呼ばれていた。 その日は演劇部で助っ人で呼ばれた後の帰りのことだった。 ふと、寄り道をしたくて、遠回りしていると、薄暗い通路に行きついた。 そこにあったのは、汚れがひとつない机と椅子、明かりがついたデスクトップパソコン。 明らかに異質な"それ"に思わず、足が動く。パソコンの画面を覗き込むとこう書かれていた。 「君に質問だ。この日、世界が終焉を迎えるとしよう。君にはそれを変える力がある。どうする?」 その奇妙な問いかけに、「変える力があるなら・・・変えたいかな」と呟くと目の前が真っ白になった。 目を覚ますと、百合の花のようふんわりとした白い布が、目に飛び込んできた。 ふれたら壊れてしまいそうなガラスのような肌とは対照に、二つ結びされた燃えるような赤い髪が揺らめく少女がいた。 「君は一体・・・」 そう呟くと、少女は無邪気に笑う。 白い世界が淡い色に染められた気がした。 「ボクの名前はシアナ、よろしくね」 「ボクと一緒に終焉《カタストロフィ》を止めてくれないか!」 「か、かたすとろふぃ・・・?」 「この世界で、終焉《カタストロフィ》を止めないと、キミが元居た世界も、終わってしまうのだよ」 追放、転生、転移などの当たり前のこの世界で繰り返される悲劇を止める為に・・・。 新垣 寅と、シアナと名乗る赤髪の少女の―終焉を止める険しい冒険が始まる。 「それは本当に正しい事なのかい?」
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文字数 13,382 最終更新日 2019.06.15 登録日 2019.05.23
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