その言葉が呪いとなる小説一覧

件
1
件
リーリヤは、庶民である母の秘めた愛によってこの世に生を受け、ヒッソリと育てられた。
バクリーン男爵家に迎えられたのは、跡取りである兄が治癒の力を備えていなかったため。
庶民生まれの庶民育ち、貴族としての知識も経験も無いリーリヤに舞い込んだ婚約話。
王命によって定められた婚約者は、エンリオ・ハーパネン侯爵令息。
庶民の流行っている恋物語の主人公になったような気分で、リーリヤは甘い夢を見る。
優しい方だと思っていた。
私を救ってくれると思っていた。
だから兄の反対を無視して、エンリオ様の役に立つため、治癒者・浄化者として庶民兵として戦場に出向いた。
婚約者の危機に救うのは私なのだと……
そうして父と母が愛し合ったように身も心も通わせるのだと……
だけどエンリオ様は、私の肉体的交わりをもって庶民兵を癒していると責め、好き者のビッチと責め、不貞を見逃して欲しいなら、幼馴染である三聖女の一人アンニーナに代わって殿下の浄化者となるよう求めた。
「私の役に立つことが出来たなら、これからも私の婚約者でいる事を認めましょう」
文字数 82,473
最終更新日 2025.02.16
登録日 2025.01.23
1
件