レンズに犯される生贄、黒い被写体……それはXXの証。
「ねぇ、あなたは、曼殊沙華の華の心に棘はあると思う?」
美しい魂をも可視化することのできる写真家、行方不明になった幼馴染の一嗣を追い、いつしか彼の理想の被写体となる事を夢見ていた瀬奈。やがて時が経ち再会する二人。だがその二人の現実はお互いの理想から、はるかにかけ離れた今があった……。二人の夢が再び交差する時、瀬奈の中で被写体XXとしての覚醒を果たし、真の姿を開花させる。
文字数 20,081
最終更新日 2021.06.06
登録日 2021.06.06