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1章妖精の愛し子

18.

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「ほんとうでしゅの? うれちいでしゅわ!」
こんなにもたくさんの妖精達から睨まれているにも関わらず、のんきに勘違いを続けるティファニーとシャルロッテ。
これには流石に、リリーフィアの両肩に座っているサクラとハヤテも呆れるしかない。

なんやかんやで、グラウィル達の談笑を聞いているうちに教会に到着した。
グラウィルから順に降り始め、リリーフィアは最後だ。
降りるときに手を貸して貰えないリリーフィアは、スカイの魔法でおろしてもらう。

「うわぁ~! まっしりょなの」
教会は白く、やっぱり中も真っ白だった。
「ようこそお越しくださいました。 神官長のティオールと申します」
ティオールは優しそうな老人で、にこにこと目が細められている。
「グラウィル・シャロンだ。 今日はよろしく頼む」
「シャロン公爵様方、これからの儀式の場へ移動いたします。 その後お一人ずつ鑑定していきますので」
ティオールはグラウィル達の前を歩きながらこれからの流れを説明する。

「シャロン公爵様と公爵婦人様はこちらでお待ちください。 お嬢様方はこちらへ」
ティオールは鑑定に使う水晶玉の側にある椅子にグラウィルとティファニーを座らせ、リリーフィアとシャルロッテは水晶の前に呼んだ。

「どちらから鑑定いたしますか?」
「もちりょんわたちよ!」
当たり前とでも言うかのようにリリーフィアを押しのけて水晶の前に立つシャルロッテ。
「ではこれからシャルロッテ様の鑑定を始めます。 結果は読み上げていきますので、分からないところがありましたらなんなりとお申し付けください」
最後にそう告げると、鑑定するために水晶を触らせたティオール。

水晶は淡く黄色い光を放つと、神官と妖精にだけ見える文字を写し出した。
ティオールはゆっくりと、丁寧にシャルロッテの結果を読み上げていく。


『名前:シャルロッテ・シャロン
 属性:水・土
 職業:錬金術師
 称号:公爵令嬢        』


「以上です。 もしご納得いかなくても、努力次第で変わる可能性はありますよ」
ティオールはそう告げると、リリーフィアの鑑定をするために、別の水晶を出した。
「それでは次にリリーフィア様を鑑定させていただきます」
その一言で、シャルロッテについて話していたグラウィルとティファニーを宥め、静かな空間を作る。

リリーフィアは、妖精達に見守られながら水晶に手をかざした。
すると今度はすみれ色に光る水晶。
すみれ色はリリーフィアがたまに見せる瞳の色、そう思っている妖精達は少し驚きながらも期待に胸を膨らませ、目を輝かせた。
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