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拳と拳の激突! 決戦のゆくえ
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天音は続けて散弾銃を撃ちまくった。
す、すごい連射だ。
「天音のヤツ、パニクってないか!?」
「そりゃ、あんな大男が迫ってきたら怖いですよ。特に女の子からしてみれば怪物でしかありません」
北上さんの言う通りだ。天音は今、恐怖と戦っている。しかし、このままでは俺たちも巻き込まれかねん。
そ、そうだ、無線を使えばいい。
「天音、落ち着け! いったん家の中へ戻れ!」
『……! は、早坂くん……うん、ごめん……』
落ち着きを取り戻した天音は、家の中へ戻っていく。今だ!
俺は北上さんからコルト・ガバメントを拝借して、そのまま打ち続けた。
「あ、啓くん! それ、あたしの銃……」
「すまん、北上さん。俺のレベデフ・ピストルは弾切れでな!」
そんな言い訳をしつつ、俺はついにブルースの腹部に弾丸を命中させた。
「がはッ!? ……くッ! 防弾ベストを着ていないと思ったか!!」
やっぱり着ていたか!
俺はそのまま撃ち続けながらもブルースに接近。ついに目の前に。……くそっ、このタイミングで弾切れだ。
けど、もうここまで来たら肉弾戦しかないッ!!
「くらえええええええええ!!」
「んなあああああ!?」
そのまま拳をブルースの顔面にメリ込ませた。ぐにゃりの変形する顔。
こんなこともあろうかと、俺は全盛期のアーノルド・シュワルツェネッガー並みに肉体を鍛えまくってあった。
ブルースをボコボコにしていくが、晴れ上がった顔のまま反撃してきた。コ、コイツ……なんて耐久力だ。
「……!!」
「早坂 啓! お前を見くびっていた!! それは認めよう! だが、私はいくつもの戦場を駆け抜けてきた戦士なのだ。この程度では死なん!!」
拳が顔面目掛けてくる。なんてスピード! これは避けられねえ!!
回避不可能と思われたその時――。
ブルースの拳を握り、飄々と耐える北上さんの姿があった。
「させませんよ」
「モ……モーニング・グローリー!」
「あたしをその名で呼ぶなッ!!」
握り拳に力を籠める北上さん。ミシミシと骨の軋む音が響く。まてまて、北上さんの握力はどうなっているんだよ!
俺はこの隙に乗じて、ブルースにアッパーを入れた。
「ぶはあッッ!!!」
「俺からなにも奪うな! さっさと消えろ!!」
「き……貴様如きガキが大金を得てどうする! いいか、数百億だぞ。それだければ我々組織が有意義に使い、偉大なアメリカを取り戻す! それが世界の安定をもたらすんだ」
「知るか! 世界なんていつも不安定で、予測不可能だ。今だって戦争が起きてる! なにが安定だ! ふざけんな!」
拳から出血するほどに俺はブルースの顔面を痛めつけた。だが、そんなボロボロの状態になっても、ヤツは反撃してきた。恐ろしいスピードで。
「早坂 啓! 早坂 啓! お前は! お前は何も分かっちゃいない!!」
「ぐッ! があああっ!! ぶはああああああッ!!」
こんなにブン殴っても倍になって戻ってくる。北上さんも同じように拳を何度も入れているのに、ブルースは気絶することなく攻撃を繰り返してきた。この男はバケモノだ!
お互いにもう血塗れだ。
くそ……意識が遠くなってきた。
なぜ、コイツは倒れない……!
「…………楽しかったぜ、早坂 啓。これほど激しく殴り合ったのは久しぶりだ……。おかげで前が見えねえ」
「俺もこんなガチ喧嘩は人生で初めてだった。でも、不思議と体が熱くなって、心も湧き立つようだった……」
「決着をつけようぜ」
「あ、ああ……」
北上さんは地面にぶっ倒れていた。
とうに限界を迎えていた。
だけど、俺はまだ意識をかすかに残していた。
限界は近いけど、北上さんやみんなを守る為……倒れるわけにはいかないんだ。
拳を構え、俺はブルースの顔面目掛けてストレートを放つ。
これが最後だああああああああああああああああああああ!!
す、すごい連射だ。
「天音のヤツ、パニクってないか!?」
「そりゃ、あんな大男が迫ってきたら怖いですよ。特に女の子からしてみれば怪物でしかありません」
北上さんの言う通りだ。天音は今、恐怖と戦っている。しかし、このままでは俺たちも巻き込まれかねん。
そ、そうだ、無線を使えばいい。
「天音、落ち着け! いったん家の中へ戻れ!」
『……! は、早坂くん……うん、ごめん……』
落ち着きを取り戻した天音は、家の中へ戻っていく。今だ!
俺は北上さんからコルト・ガバメントを拝借して、そのまま打ち続けた。
「あ、啓くん! それ、あたしの銃……」
「すまん、北上さん。俺のレベデフ・ピストルは弾切れでな!」
そんな言い訳をしつつ、俺はついにブルースの腹部に弾丸を命中させた。
「がはッ!? ……くッ! 防弾ベストを着ていないと思ったか!!」
やっぱり着ていたか!
俺はそのまま撃ち続けながらもブルースに接近。ついに目の前に。……くそっ、このタイミングで弾切れだ。
けど、もうここまで来たら肉弾戦しかないッ!!
「くらえええええええええ!!」
「んなあああああ!?」
そのまま拳をブルースの顔面にメリ込ませた。ぐにゃりの変形する顔。
こんなこともあろうかと、俺は全盛期のアーノルド・シュワルツェネッガー並みに肉体を鍛えまくってあった。
ブルースをボコボコにしていくが、晴れ上がった顔のまま反撃してきた。コ、コイツ……なんて耐久力だ。
「……!!」
「早坂 啓! お前を見くびっていた!! それは認めよう! だが、私はいくつもの戦場を駆け抜けてきた戦士なのだ。この程度では死なん!!」
拳が顔面目掛けてくる。なんてスピード! これは避けられねえ!!
回避不可能と思われたその時――。
ブルースの拳を握り、飄々と耐える北上さんの姿があった。
「させませんよ」
「モ……モーニング・グローリー!」
「あたしをその名で呼ぶなッ!!」
握り拳に力を籠める北上さん。ミシミシと骨の軋む音が響く。まてまて、北上さんの握力はどうなっているんだよ!
俺はこの隙に乗じて、ブルースにアッパーを入れた。
「ぶはあッッ!!!」
「俺からなにも奪うな! さっさと消えろ!!」
「き……貴様如きガキが大金を得てどうする! いいか、数百億だぞ。それだければ我々組織が有意義に使い、偉大なアメリカを取り戻す! それが世界の安定をもたらすんだ」
「知るか! 世界なんていつも不安定で、予測不可能だ。今だって戦争が起きてる! なにが安定だ! ふざけんな!」
拳から出血するほどに俺はブルースの顔面を痛めつけた。だが、そんなボロボロの状態になっても、ヤツは反撃してきた。恐ろしいスピードで。
「早坂 啓! 早坂 啓! お前は! お前は何も分かっちゃいない!!」
「ぐッ! があああっ!! ぶはああああああッ!!」
こんなにブン殴っても倍になって戻ってくる。北上さんも同じように拳を何度も入れているのに、ブルースは気絶することなく攻撃を繰り返してきた。この男はバケモノだ!
お互いにもう血塗れだ。
くそ……意識が遠くなってきた。
なぜ、コイツは倒れない……!
「…………楽しかったぜ、早坂 啓。これほど激しく殴り合ったのは久しぶりだ……。おかげで前が見えねえ」
「俺もこんなガチ喧嘩は人生で初めてだった。でも、不思議と体が熱くなって、心も湧き立つようだった……」
「決着をつけようぜ」
「あ、ああ……」
北上さんは地面にぶっ倒れていた。
とうに限界を迎えていた。
だけど、俺はまだ意識をかすかに残していた。
限界は近いけど、北上さんやみんなを守る為……倒れるわけにはいかないんだ。
拳を構え、俺はブルースの顔面目掛けてストレートを放つ。
これが最後だああああああああああああああああああああ!!
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