151 / 199
天音さんは諦めない
しおりを挟む
意外すぎる場所から登場する北上さんは、両手に持つ二丁のハンドガンの引き金を引き、ブルースに対して発砲し続けた。
催涙弾を受けているはずなのに、ヤツは弾を回避して後退していく。……まてまて、ヤツは目が染みて弾を回避する暇すらないはず。
なのに、器用に避けて距離を取っていく。どうなっているんだ……! どこかに第三の目でもあるのか!?
「……くっ、全弾外しました。申し訳ない」
「北上さんの腕でも命中しないなんて、おかしいだろ」
「いえ、距離がありますし、ハンドガンの命中率なんて知れていますから。それに、あの男はプロです。なにかしらのスキルを持っているのかも」
まさかな。そんな人間離れした技を持つヤツがいてたまるか……と、言いたいところだが、いたのだから認めるしかない。
このまま見失うわけにはいかない。俺はハンドガンを構えつつ、走り出した。
北上さんも俺の後をついてくる。
「ブルースをなんとしてでも仕留める」
「分かりました。今度こそ外しません」
ブルースの背を追っていくが、どんどん離されていく。なんて足の速さだ。
しかも反撃もしてきた。
これ以上の深追いは危険か……。
だけど、それでもヤツを倒さねば。
全速力で向かうと、家が見えてきた。まずい、突入する気か。
「北上さん、このままでは侵入される!」
「予備マガジンを使い切る勢いで撃っています」
北上さんは銃を乱射するが、ブルースは不思議なくらい回避していた。どうして当たらない……! どういう魔術だ……!
こうなったら、別の手段だ。
俺は体に貼り付けている無線を取り出し、緊急連絡を取った。すると、直ぐにリコの反応があった。
『こちら、リコ。どうしたん?』
「そっちのホワイトウォーターのボスが向かっている。狙撃できるか!?」
『マジで! 分かった。やってみる。ただし、周囲に敵の仲間も潜伏中』
「分かった。援護する」
二階窓から少し身を出すリコ。猟銃を構え、ブルースに狙いを定めた。……よし、ヤツは気づいていない。これで!
リコが撃とうとした瞬間、別の敵がアサルトライフルを撃ちまくった。あれでは狙撃できない……ダメか。しかし、リコと共に行動していたはずの天音が玄関にいた。
ちょ、まさか、そんな!
「……この家には入れさせない!」
「ほう、少女がこの私に立ち向かうとは、その勇気だけは認めてやる。だがな!」
ウソだろ、ウソだろ、ウソだろ!!
天音がなんでそこに!!
「北上さん、このままでは天音が!!」
「挟み撃ちにしたとはいえ、これは状況が悪いです。天音さんはまともな武器を持っていないはず……いえ!」
ハッとなる北上さんは、青ざめて回避行動をとるように俺を突き飛ばしてきた。な、なんだぁ!?
「ちょ、なにする!」
「天音さんの手元をよく見て下さい! あれは散弾銃です!」
そうか、許可を受けて所持していた合法的な散弾銃。家の中にあったんだな。
もちろん、天音は使い方を心得ている。
何度も訓練したし、日本から海外のあらゆる銃の知識を叩きこんである。今の彼女なら撃てる。
俺は天音の力を信じる。
「わたしはもう昔のわたしじゃない……! 諦めない!」
「脆弱な小娘が――なにィ!?」
「いけええええええッ!」
散弾銃を放つ天音。
しかしブルースは回避した。
クソ、あんな至近距離でもダメなのか? ――いやそうではなかった。ブルースの肩に命中していた。さすがに散弾銃の飛び散る弾は避けられないか!
「ぐあああああああああああああああああ……!!!!!!!!」
左肩に被弾し、ブルースは玄関前で倒れた。……あ、危なかった。
催涙弾を受けているはずなのに、ヤツは弾を回避して後退していく。……まてまて、ヤツは目が染みて弾を回避する暇すらないはず。
なのに、器用に避けて距離を取っていく。どうなっているんだ……! どこかに第三の目でもあるのか!?
「……くっ、全弾外しました。申し訳ない」
「北上さんの腕でも命中しないなんて、おかしいだろ」
「いえ、距離がありますし、ハンドガンの命中率なんて知れていますから。それに、あの男はプロです。なにかしらのスキルを持っているのかも」
まさかな。そんな人間離れした技を持つヤツがいてたまるか……と、言いたいところだが、いたのだから認めるしかない。
このまま見失うわけにはいかない。俺はハンドガンを構えつつ、走り出した。
北上さんも俺の後をついてくる。
「ブルースをなんとしてでも仕留める」
「分かりました。今度こそ外しません」
ブルースの背を追っていくが、どんどん離されていく。なんて足の速さだ。
しかも反撃もしてきた。
これ以上の深追いは危険か……。
だけど、それでもヤツを倒さねば。
全速力で向かうと、家が見えてきた。まずい、突入する気か。
「北上さん、このままでは侵入される!」
「予備マガジンを使い切る勢いで撃っています」
北上さんは銃を乱射するが、ブルースは不思議なくらい回避していた。どうして当たらない……! どういう魔術だ……!
こうなったら、別の手段だ。
俺は体に貼り付けている無線を取り出し、緊急連絡を取った。すると、直ぐにリコの反応があった。
『こちら、リコ。どうしたん?』
「そっちのホワイトウォーターのボスが向かっている。狙撃できるか!?」
『マジで! 分かった。やってみる。ただし、周囲に敵の仲間も潜伏中』
「分かった。援護する」
二階窓から少し身を出すリコ。猟銃を構え、ブルースに狙いを定めた。……よし、ヤツは気づいていない。これで!
リコが撃とうとした瞬間、別の敵がアサルトライフルを撃ちまくった。あれでは狙撃できない……ダメか。しかし、リコと共に行動していたはずの天音が玄関にいた。
ちょ、まさか、そんな!
「……この家には入れさせない!」
「ほう、少女がこの私に立ち向かうとは、その勇気だけは認めてやる。だがな!」
ウソだろ、ウソだろ、ウソだろ!!
天音がなんでそこに!!
「北上さん、このままでは天音が!!」
「挟み撃ちにしたとはいえ、これは状況が悪いです。天音さんはまともな武器を持っていないはず……いえ!」
ハッとなる北上さんは、青ざめて回避行動をとるように俺を突き飛ばしてきた。な、なんだぁ!?
「ちょ、なにする!」
「天音さんの手元をよく見て下さい! あれは散弾銃です!」
そうか、許可を受けて所持していた合法的な散弾銃。家の中にあったんだな。
もちろん、天音は使い方を心得ている。
何度も訓練したし、日本から海外のあらゆる銃の知識を叩きこんである。今の彼女なら撃てる。
俺は天音の力を信じる。
「わたしはもう昔のわたしじゃない……! 諦めない!」
「脆弱な小娘が――なにィ!?」
「いけええええええッ!」
散弾銃を放つ天音。
しかしブルースは回避した。
クソ、あんな至近距離でもダメなのか? ――いやそうではなかった。ブルースの肩に命中していた。さすがに散弾銃の飛び散る弾は避けられないか!
「ぐあああああああああああああああああ……!!!!!!!!」
左肩に被弾し、ブルースは玄関前で倒れた。……あ、危なかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
616
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる