信濃の大空

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大打撃

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第2航空艦隊の攻撃隊は7時32分にはアメリカ艦隊に対して突撃を開始していた。
今回も例に同じく雷撃隊の方が比率は高かった。
アメリカ軍の迎撃隊は流星に狙いを定めていたが、流星自体が560㎞ほど出ていて翼の中にも20ミリ機銃と後部に13ミリ旋回機銃が2挺と1挺装備されていた。
アメリカ海軍の迎撃隊は近づくことすら難しかった。
そこに紫電改が襲撃をかける。


「7時方向に敵機。」
無線にそれだけ言うと坂井はまた別の戦闘機に狙いを定める。
流星に追いすがっているのは3機のコルセア。
「柳田、一番後ろの1機を狙え。あとは俺がやる。」
その3機のコルセアは流星ばかりに意識が向かっていた。
だから、坂井が後ろから先頭の機体を撃墜したときにやっと気づいた。
「もう遅い!」
坂井の言葉に連動するように柳田も最後尾の機体を撃墜した。
残った1機はなんとか逃げようとするも奇襲のような形であったためあえなく坂井の餌食になった。


「やはり迎撃隊だけで食い止めるのは無理があるか…。」
ミッチャーは続々と自分たちに殺到してくる日本の攻撃隊を見ながら言った。
超低空で迫ってくる雷撃隊の編隊は続々と抱えてあった魚雷を投下していく。
対空砲火でかなりの数は撃破したはずだが、それでも爆撃隊は各空母に急降下を敢行する。
山口もその中でエセックス級空母のアンティータムに突入していた。
隣では次々と戦友が散っていっている。
だが、そんなことを考える暇もなく爆弾を投下した。


第2航空艦隊の攻撃隊が第2航空群に肉薄していたころ、遠く離れた第2航空艦隊でも戦闘が行われようとしていた。
「サザーランド!あの真ん中の奴を狙えと攻撃隊の連中に伝えろ!」
カールは確実に第2航空艦隊の空母を減らしたかった。
だから、最初の攻撃目標に比較的対空砲火が薄い葛城を選んだ。


「敵攻撃隊は葛城への攻撃を集中させています!」
中曽根の報告を聞いた阿部はすぐに命令を下す。
「迎撃隊は葛城防衛に注力せよ!」
確かに、それは合理的な判断だった。
だが、攻撃隊の数は300を超えていた。
だから、他の攻撃隊は葛城以外への攻撃がかなり簡単に行えた。
「左舷に魚雷!」
直後に振動が阿部に伝わってくる。
それでも、もとは大和型として建造されたこの艦にはそこまでの打撃は受けなかった。
「注水急げ!」
直後、阿部の命令をかき消すような大爆発が起こった。
「くそっ!雲龍がやられたか!」
爆発の原因は大鳳と全く同じだった。
雲龍は巨大な爆炎を残しながら海に沈んでいった。
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