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攻撃が終わり、損害集計が行われる。
「雲龍、瑞鳳、鈴谷、阿賀野と駆逐艦5隻が沈没。葛城が航行は可能ですが雷撃によって傾斜がひどく、とても艦載機を運用する能力はありません。我が艦も2発の魚雷と3発の爆弾が命中しましたがいまだ健在です。」
葛城は撤退させるしかないだろう。
それ相応の護衛を付けないといけない。
重巡1隻と駆逐艦10隻が妥当か。
西村中将にも同行してもらおう。
「中将、攻撃隊はいかがします?我が艦だけでは到底収容できません。」
確かに。
それは考えなければならない。
かなりの数は着水させて搭乗員は脱出さえるしかないだろう。
「万全な機体だけは着艦させろ。あとの機体は着水させろ。」
そして続々航空隊が帰還してくる。
「数は140機ほどです。」
迎撃隊の生き残りである19機はすでに着水している。
無線からはかなりの数の流星がなんらかの損傷を受けているそうだ。
それでも30機ほどは使える。
問題は紫電改だ。
あの乱戦をほぼ無傷で切り抜けたのは25機だ。
これでは艦隊の防空も、攻撃隊の護衛もまともにこなせない。
いくらかは突貫修理でもたせるしかない。
「中将、次の出撃が最後の出撃になるのでしょうか?」
中曽根が聞いてきた。
「あぁ、次で終わらせるぞ!」
「司令、無事な空母はこのエンタープライズしか残っていません。」
バークの残念そうな顔が、乗組員たちがどれだけダメージコントロールに尽くしたのかが読み取れた。
「沈んだ空母はアンティータムとハンコックだけでしたが、あとの空母は甲板が破壊されてしまいました。幸い自力で航行は可能なのでは真珠湾まで撤退させます。」
空母がこのエンタープライズだけというのはかなり厳しい。
だが、バークの次の言葉にミッチャーは目を見開く。
「我々は日本艦隊にたいして空母2隻を撃沈させ1隻は傾斜しているそうです。なので日本艦隊も我々と同数の1隻だけなのです。」
その1隻は十中八九信濃だろう。
つまり、艦載機数も同数もしくは我々の方が多い。
「次の攻撃はいつごろ仕掛けられる!?」
バークは少しも慌てず答える。
「着水などの作業が終わり次第ですが、2時間後には再出撃の準備が完了するかと!」
2時間か…。
日本艦隊も着水などの作業を考えると同じ程度の時間はかかるだろう。
「これが、勝っても負けても最後の出撃になるだろうな。」
ミッチャーが零す。
それにすぐさま反応してバークが叫ぶ。
「そうなるように、私たちも精一杯努力いたします!」
「雲龍、瑞鳳、鈴谷、阿賀野と駆逐艦5隻が沈没。葛城が航行は可能ですが雷撃によって傾斜がひどく、とても艦載機を運用する能力はありません。我が艦も2発の魚雷と3発の爆弾が命中しましたがいまだ健在です。」
葛城は撤退させるしかないだろう。
それ相応の護衛を付けないといけない。
重巡1隻と駆逐艦10隻が妥当か。
西村中将にも同行してもらおう。
「中将、攻撃隊はいかがします?我が艦だけでは到底収容できません。」
確かに。
それは考えなければならない。
かなりの数は着水させて搭乗員は脱出さえるしかないだろう。
「万全な機体だけは着艦させろ。あとの機体は着水させろ。」
そして続々航空隊が帰還してくる。
「数は140機ほどです。」
迎撃隊の生き残りである19機はすでに着水している。
無線からはかなりの数の流星がなんらかの損傷を受けているそうだ。
それでも30機ほどは使える。
問題は紫電改だ。
あの乱戦をほぼ無傷で切り抜けたのは25機だ。
これでは艦隊の防空も、攻撃隊の護衛もまともにこなせない。
いくらかは突貫修理でもたせるしかない。
「中将、次の出撃が最後の出撃になるのでしょうか?」
中曽根が聞いてきた。
「あぁ、次で終わらせるぞ!」
「司令、無事な空母はこのエンタープライズしか残っていません。」
バークの残念そうな顔が、乗組員たちがどれだけダメージコントロールに尽くしたのかが読み取れた。
「沈んだ空母はアンティータムとハンコックだけでしたが、あとの空母は甲板が破壊されてしまいました。幸い自力で航行は可能なのでは真珠湾まで撤退させます。」
空母がこのエンタープライズだけというのはかなり厳しい。
だが、バークの次の言葉にミッチャーは目を見開く。
「我々は日本艦隊にたいして空母2隻を撃沈させ1隻は傾斜しているそうです。なので日本艦隊も我々と同数の1隻だけなのです。」
その1隻は十中八九信濃だろう。
つまり、艦載機数も同数もしくは我々の方が多い。
「次の攻撃はいつごろ仕掛けられる!?」
バークは少しも慌てず答える。
「着水などの作業が終わり次第ですが、2時間後には再出撃の準備が完了するかと!」
2時間か…。
日本艦隊も着水などの作業を考えると同じ程度の時間はかかるだろう。
「これが、勝っても負けても最後の出撃になるだろうな。」
ミッチャーが零す。
それにすぐさま反応してバークが叫ぶ。
「そうなるように、私たちも精一杯努力いたします!」
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