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戦勝報告
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ビアク沖で第2航空艦隊を撃退したミッチャーはバ真珠湾でスプールアンスに報告していた。
「ビアクの航空基地は全滅、島自体も再占領が完了したか。だが護衛空母艦隊を失ったのは少し痛いな。」
真珠湾が一望できる司令室でコーヒーを飲みながらスプールアンスは報告を聞いていた。
「ただ敵空母に爆弾を3発命中させました。本来の目標である日本軍への牽制は十分果たせたかと。」
「そうだな。このままニミッツ長官に上げておく。そろそろ大規模な攻勢が行われるだろう。それまで訓練に励んでおけ。」
エンタープライズに戻るとバークがこちらも報告しに来た。
「敵は新型戦闘機を使い、これまでの格闘戦ではなく一撃離脱戦を行うようになっています。」
やはりか。
準備万端な我が航空隊が日本航空隊と同等の損害を受けていたのはこういうことか。
これからは、つらくなるかもな。
考えているとバークはもう一つ報告してきた。
「これは偵察に出ていたドーントレスからの報告なのですが、他の空母よりもひと際大きなものがいたと。」
ミッチャーは目を見開く。
「例の大和級の船体程だったということなので、やはりマリアナで潜水艦が見たのは空母でしょう。」
大和級の排水量は70000トンを超える…。
エセックスの排水量はせいぜい40000トン程度だ。
それほどまでに巨大な空母が存在しているというのか…!
「この空母の名前は大方割れています。信濃だそうです。」
「日本の旧国名か。やはり戦艦から改修されたようだな。」
これで確定した。
ビアクを空襲したのも、マリアナで攻撃隊を送り込んできたのも、こいつだ!
こいつさえいなければ、今頃日本は風前の灯だっただろう。
こいつ、信濃は私が引導を渡さなければならない!
カールとサザーランドは先の海戦では艦隊直掩についていた。
「あの悪魔たちと戦わなくて良かったですね。」
サザーランドがサイダーを飲みながら気楽に言う。
「攻撃隊は悪魔に会ったようだ。何人か持ってかれたらしい。」
生き残った攻撃隊のパイロットが顔を引きつりながら語ってくれた。
ゼロではなく新型を使って僚機を次々と撃墜していくのはまさしく悪魔だったと。
「そろそろ、大きな戦いが起きそうですね。」
サザーランドが突然そんなことを言い出した。
ただカールも漠然と感じていた。
この戦争の行く末を決める大きな戦いが起こることを。
「生き抜きましょうね。この戦争を。」
カールの顔は夕日に照らされ、儚げな笑顔を浮かべていた。
「…もちろんだ。絶対生き抜いてやる。」
「ビアクの航空基地は全滅、島自体も再占領が完了したか。だが護衛空母艦隊を失ったのは少し痛いな。」
真珠湾が一望できる司令室でコーヒーを飲みながらスプールアンスは報告を聞いていた。
「ただ敵空母に爆弾を3発命中させました。本来の目標である日本軍への牽制は十分果たせたかと。」
「そうだな。このままニミッツ長官に上げておく。そろそろ大規模な攻勢が行われるだろう。それまで訓練に励んでおけ。」
エンタープライズに戻るとバークがこちらも報告しに来た。
「敵は新型戦闘機を使い、これまでの格闘戦ではなく一撃離脱戦を行うようになっています。」
やはりか。
準備万端な我が航空隊が日本航空隊と同等の損害を受けていたのはこういうことか。
これからは、つらくなるかもな。
考えているとバークはもう一つ報告してきた。
「これは偵察に出ていたドーントレスからの報告なのですが、他の空母よりもひと際大きなものがいたと。」
ミッチャーは目を見開く。
「例の大和級の船体程だったということなので、やはりマリアナで潜水艦が見たのは空母でしょう。」
大和級の排水量は70000トンを超える…。
エセックスの排水量はせいぜい40000トン程度だ。
それほどまでに巨大な空母が存在しているというのか…!
「この空母の名前は大方割れています。信濃だそうです。」
「日本の旧国名か。やはり戦艦から改修されたようだな。」
これで確定した。
ビアクを空襲したのも、マリアナで攻撃隊を送り込んできたのも、こいつだ!
こいつさえいなければ、今頃日本は風前の灯だっただろう。
こいつ、信濃は私が引導を渡さなければならない!
カールとサザーランドは先の海戦では艦隊直掩についていた。
「あの悪魔たちと戦わなくて良かったですね。」
サザーランドがサイダーを飲みながら気楽に言う。
「攻撃隊は悪魔に会ったようだ。何人か持ってかれたらしい。」
生き残った攻撃隊のパイロットが顔を引きつりながら語ってくれた。
ゼロではなく新型を使って僚機を次々と撃墜していくのはまさしく悪魔だったと。
「そろそろ、大きな戦いが起きそうですね。」
サザーランドが突然そんなことを言い出した。
ただカールも漠然と感じていた。
この戦争の行く末を決める大きな戦いが起こることを。
「生き抜きましょうね。この戦争を。」
カールの顔は夕日に照らされ、儚げな笑顔を浮かべていた。
「…もちろんだ。絶対生き抜いてやる。」
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