残念令嬢の恩返し~婚約者に浮気されている公子様、あなたにお味方いたします!~

ごきげんよう。セリナ・レンフィールドにございます。

王宮の夜会でお花摘み(トイレ)に行った帰り道で、王女の浮気現場に遭遇してしまいました。
王女が婚約者に塩対応なのは有名な話。こんな目立つところで逢い引きしているのは、浮気の噂を広めて、婚約を破談に持ち込みたいのでしょう。
そんな不義理の片棒なんて、かつぎたくありません!

見なかったことにして、こっそり別のルートから広間に戻ることに。具体的に言うと、庭をつっきります。
足音がしないように靴を脱ぎ、絹の靴下も汚したくなくいので脱いで、「さあ、行きましょう!」というところで、人影に気付きました。
王女の婚約者のジェダオ公子です。
彼が足音もさせずにこちらに近付いてくるので、思わずしゃがみました。淑女として、身内でもない男性に素足を見せられないので!

「レディ、どこかおかげんでも?」
王女の姿が見えなかったはずがないのに、婚約者の不貞を糾弾するより、うずくまっている私に手を差し伸べてくる公子。
「足を挫いてしまって」と、とっさについた嘘を、彼は真に受け、私を抱き上げて控え室まで運び、手当ての手配をしてくれたのでした。

紳士ー! 本物の紳士がここに居ますー!!

こんなに親切で優しい人が、悪く言われて婚約を破談にされるなんて、納得いかない!しがない伯爵の娘に何ができるかわかりませんが、ご恩返しに公子のお味方をいたします!


巨大なネコを被って淑女の振る舞いをしてはいるけれど、かなり鈍い上に、だいたい早とちりしている残念令嬢が、ご恩返ししようと空回りするお話。
24h.ポイント 7pt
0
小説 36,883 位 / 193,326件 恋愛 16,556 位 / 57,317件

あなたにおすすめの小説

悪役だから仕方がないなんて言わせない!

音無砂月
恋愛
マリア・フォン・オレスト オレスト国の第一王女として生まれた。 王女として政略結婚の為嫁いだのは隣国、シスタミナ帝国 政略結婚でも多少の期待をして嫁いだが夫には既に思い合う人が居た。 見下され、邪険にされ続けるマリアの運命は・・・・・。

かわいい弟の破談の未来を変えるはずがなぜか弟の花嫁になりました 〜血のつながらない姉弟の無自覚な相思相愛

あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
 弟の未来しか見えないちょっと残念な夢見の才を持つ遠山家の養女、椿。血のつながらない弟、和真をこよなく愛し幸せを願う椿は、ある日夢をみる。その未来絵はなんと、和真の縁談がことごとく破談に終わり、孤独のまま暮らしている夢だった。  このままでは和真が幸せになれないと、縁談を成功されるべく奮闘をはじめるが、名家の雪園家の令嬢との縁談話が持ち上がるも、またも怪しい雰囲気に――。  けれどそんな中自分が和真に恋心を抱いていることに気がついてしまい、許されない弟への思いに頭を抱えるのだった。その上和真に近づく恋敵まで現れて、椿は――。  血のつながらない姉と弟の、じれじれもだもだな恋のお話です。 ※小説家になろう、カクヨム等他サイトでも掲載しています。

影の弾正台と秘密の姫

月夜野 すみれ
恋愛
女性に興味がなくて和歌一筋だった貴晴が初めて惹かれたのは大納言(上級貴族)の姫だった。 だが貴晴は下級貴族だから彼女に相手にされそうにない。 そんな時、祖父が話を持ち掛けてきた。 それは弾正台になること。 上手くいけば大納言の姫に相応しい身分になれるかもしれない。 早くに両親を亡くした織子(しきこ)は叔母の家に引き取られた。叔母は大納言の北の方だ。 歌が得意な織子が義理の姉の匡(まさ)の歌を代わりに詠んでいた。 織子が代詠した歌が評判になり匡は若い歌人としてあちこちの歌会に引っ張りだこだった。 ある日、貴晴が出掛けた先で上の句を詠んだところ、見知らぬ女性が下の句を詠んだ。それは大納言の大姫だった。 平安時代初期と中期が混ざっていますが異世界ファンタジーです。 参考文献や和歌の解説などはnoteに書いてあります。 https://note.com/tsukiyonosumire/n/n7b9ffd476048 カクヨムと小説家になろうにも同じものを投稿しています。

聖女は寿命を削って王子を救ったのに、もう用なしと追い出されて幸せを掴む!

naturalsoft
恋愛
読者の方からの要望で、こんな小説が読みたいと言われて書きました。 サラッと読める短編小説です。 人々に癒しの奇跡を与える事のできる者を聖女と呼んだ。 しかし、聖女の力は諸刃の剣だった。 それは、自分の寿命を削って他者を癒す力だったのだ。 故に、聖女は力を使うのを拒み続けたが、国の王子が難病に掛かった事によって事態は急変するのだった。

厄介者扱いされ隣国に人質に出されたけど、冷血王子に溺愛された

今川幸乃
恋愛
オールディス王国の王女ヘレンは幼いころから家族に疎まれて育った。 オールディス王国が隣国スタンレット王国に戦争で敗北すると、国王や王妃ら家族はこれ幸いとばかりにヘレンを隣国の人質に送ることに決める。 しかも隣国の王子マイルズは”冷血王子”と呼ばれ、数々の恐ろしい噂が流れる人物であった。 恐怖と不安にさいなまれながら隣国に赴いたヘレンだが、 「ようやく君を手に入れることが出来たよ、ヘレン」 「え?」 マイルズの反応はヘレンの予想とは全く違うものであった。

侯爵令嬢セリーナ・マクギリウスは冷徹な鬼公爵に溺愛される。 わたくしが古の大聖女の生まれ変わり? そんなの聞いてません!!

友坂 悠
恋愛
「セリーナ・マクギリウス。貴女の魔法省への入省を許可します」 婚約破棄され修道院に入れられかけたあたしがなんとか採用されたのは国家の魔法を一手に司る魔法省。 そこであたしの前に現れたのは冷徹公爵と噂のオルファリド・グラキエスト様でした。 「君はバカか?」 あたしの話を聞いてくれた彼は開口一番そうのたまって。 ってちょっと待って。 いくらなんでもそれは言い過ぎじゃないですか!!? ⭐︎⭐︎⭐︎ 「セリーナ嬢、君のこれまでの悪行、これ以上は見過ごすことはできない!」 貴族院の卒業記念パーティの会場で、茶番は起きました。 あたしの婚約者であったコーネリアス殿下。会場の真ん中をスタスタと進みあたしの前に立つと、彼はそう言い放ったのです。 「レミリア・マーベル男爵令嬢に対する数々の陰湿ないじめ。とても君は国母となるに相応しいとは思えない!」 「私、コーネリアス・ライネックの名においてここに宣言する! セリーナ・マクギリウス侯爵令嬢との婚約を破棄することを!!」 と、声を張り上げたのです。 「殿下! 待ってください! わたくしには何がなんだか。身に覚えがありません!」 周囲を見渡してみると、今まで仲良くしてくれていたはずのお友達たちも、良くしてくれていたコーネリアス殿下のお付きの人たちも、仲が良かった従兄弟のマクリアンまでもが殿下の横に立ち、あたしに非難めいた視線を送ってきているのに気がついて。 「言い逃れなど見苦しい! 証拠があるのだ。そして、ここにいる皆がそう証言をしているのだぞ!」 え? どういうこと? 二人っきりの時に嫌味を言っただの、お茶会の場で彼女のドレスに飲み物をわざとかけただの。 彼女の私物を隠しただの、人を使って階段の踊り場から彼女を突き落とそうとしただの。 とそんな濡れ衣を着せられたあたし。 漂う黒い陰湿な気配。 そんな黒いもやが見え。 ふんわり歩いてきて殿下の横に縋り付くようにくっついて、そしてこちらを見て笑うレミリア。 「私は真実の愛を見つけた。これからはこのレミリア嬢と添い遂げてゆこうと思う」 あたしのことなんかもう忘れたかのようにレミリアに微笑むコーネリアス殿下。 背中にじっとりとつめたいものが走り、尋常でない様子に気分が悪くなったあたし。 ほんと、この先どうなっちゃうの?

護国の聖女、婚約破棄の上、国外追放される。〜もう護らなくていいんですね〜

ココちゃん
恋愛
平民出身と蔑まれつつも、聖女として10年間一人で護国の大結界を維持してきたジルヴァラは、学園の卒業式で、冤罪を理由に第一王子に婚約を破棄され、国外追放されてしまう。 護国の大結界は、聖女が結界の外に出た瞬間、消滅してしまうけれど、王子の新しい婚約者さんが次の聖女だっていうし大丈夫だよね。 がんばれ。 …テンプレ聖女モノです。

悪役令嬢の里帰り

椿森
恋愛
侯爵家の令嬢、テアニアはこの国の王子の婚約者だ。テアニアにとっては政略による婚約であり恋をしたり愛があったわけではないが、良好な関係を築けていると思っていた。しかし、それも学園に入るまで。 入学後は些細なすれ違いや勘違いがあるのも仕方がないと思っていたが、どうやらそうでもないらしい。いつの間にか王子のそばには1人の女子生徒が侍っていて、王子と懇意な中だという噂も。その上、テアニアがその女子生徒を目の敵にして苛めているといった噂まで。 「私に他人を苛めている暇があるようにお思いで?」 頭にきたテアニアは、母の実家へと帰ることにした。