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しおりを挟むこの世界は乙女ゲームの世界?
パトリシアがヒロインで私は悪役令嬢兼攻略対象?
いや、でも神様は、あの時点で私は死ぬ予定ではなかったって言ってたよね?
なら私は悪役令嬢ではない?
ならなんで私は死ぬことになったの?
「エミリー嬢、大丈夫ですか?顔が真っ青ですけど体調が悪いんですか?」
「いえ、大丈夫です。あの私は本当に攻略対象何ですか?悪役令嬢ではなく?」
「なぜ悪役令嬢だと思ったか分からないが、お前は悪役令嬢ではない。他に悪役令嬢はいる。エミリー嬢は隠しキャラだ。ストーリーとは全く違う行動をしてるみたいだけどな」
悪役令嬢が他にいるの?
でもパトリシアと敵対してる人なんていたかしら?
でも私は周りから敵視されるようになってから、学園に行く時以外はなるべく家に籠るようにしてたから、私が知らないだけかな?
私以外の転生者か
神様は何で2人の記憶を残したまま転生させたのかしら?
何か理由がある?
それともミスしただけ?
2人はいつから前世の記憶があるのかしら?
私が死んだ時に2人は前世の記憶があったのかな?
2人も私と一緒に巻き戻ったなんてことあるわけないわよね
一か八か聞いてみる?
私が亡くなった後のことも聞きたい
「お二人が覚えてる記憶は前世のものだけですか?今の人生の数年後を過ごした記憶があったりしないですよね」
「どういう事だ?未来を知ってるかってことか?一応、姉さんが乙女ゲームをしてたから、これから起きることの流れは知ってるが?」
違う、そう言うことではない
なんて言えばいいのかしら?
ベルナールさんとリシャールさんも巻き戻りして来たのか聞きたい、でも2人が違ったら気まずい、頭がおかしいって思われるかもしれない
でも実際に転生した2人なら、私の話を信じてくれるかもしれない
「私が聞きたいのは、お2人が8年前から巻き戻って来たのか聞きたいんです。私はお2人が8年後に起きたことを知ってるのか知りたい」
「8年後?エミリー嬢は何を言ってるんですか?人が巻き戻りをするなんて、小説やアニメの世界じゃないんだから有り得ませんよ」
「リシャール、全否定するのは良くないと思うぞ。俺たちは転生して乙女ゲームの世界に生まれ変わったんだ、巻き戻りがあったとしてもおかしくない。この世界には魔法っていう不思議な力が有るんだからな。エミリー嬢が関係ないことを聞くわけが無い、何か理由があるんだろ?」
ベルナールさんとリシャールさんなら話してもいいよね。
「私は8年後の未来から巻き戻って来ました。8年後で私はパトリシアに国を裏切ったと冤罪をかけられて、打首の刑になり亡くなったと思ったら8年前に戻っていました」
「なっ!?少女1人の証言で全ての者がそれを信じたと言うのか!?国王は裏を取らなかったのか?」
「国王様は私が疑われる前に何者かに襲われて意識不明の重体でした。国王様の代理をしてたのは第1王子でした」
私の話を聞いたベルナールさんは絶句して黙り込んでしまった
リシャールさんはベルナールさんを心配してるみたいだけど何でかしら?
「国王様は亡くなってはいなかったんですよね?」
「はい。どれぐらい危険な状態だったかはさすがに分からなかったですけど、王妃様や殿下達は落ち着いていたので、直ぐに命の危険がある訳では無いと言われてました」
さすがに子爵の娘である私の所には、王様の詳しい容態は話がまわって来なかったのよね
まぁ、倒れた人が国王様だったから、余程軽傷じゃない限り話は広まらないわよね
「巻き戻りか…………、エミリー嬢が巻き戻ったのには何か理由があるんだろうな。しかし、ヒロインがエミリー嬢を亡き者にしようとした理由が分からないな。デメリットしかないんじゃないか?エミリー嬢はサポートキャラでもあったから、居なくなったらちょっと不便なところはある、居て困るようなことは無いから殺す意味がわからないね」
私ってサポートキャラなんだ。
なら私を消したいと思ってる神様がパトリシアに指示したってこと?
何も知らないパトリシアは私を殺したってこと?
「あの、乙女ゲームでのヒロインはどんな性格なんですか?私を殺す理由が何かあったとして、それを実行するような性格だったんですか?悪口は言いたくはないですけど、私の知ってるパトリシアは外面は良いけど、性格はかなり悪いって印象があります。私が処刑されるって時に笑ってましたから」
「それが本当なら性格はかなり変わってるね。ゲームでのヒロインは、友達思いで自分のことは後回しにしたり、ちょっと天然なところがあるキャラだったよ。ゲーム通りの性格なら、もしも友人が犯罪に手を染めてたら、周りに知らせる前にその友人を止めようとして、それでもダメだったら周りに助けを求めるんじゃないかな?」
それなら真逆の性格だね
パトリシアはわざと私が周りに疑われるように行動や発言してたもの
応援ありがとうございます!
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