47 / 52
46
しおりを挟む「この世界で実際に生きてるから全てがゲームのように進んでるとは思わないが、ヒロインの性格がここまで変わるのは不自然だな、ヒロインが俺たちみたいに転生者の可能性が考えられる」
「そうだね。エミリー嬢の話を聞いてる感じ、ヒロインはかなり性格が悪いみたいだね。この世界を完全にゲームの世界だと思ってる可能性がある、その証拠にエミリー嬢が亡くなることに一切躊躇がない。普通は自分が冤罪をかけて死刑になったら、罪悪感があってもおかしくない」
パトリシアが転生者か………
なら尚更、パトリシアの行動が不明すぎるわね
2人の話では、ストーリーで私は死ぬなんてことはなかったみたいだし、死なせる理由がない
パトリシアに命を狙われるようなことをしたのかしら?
私の命を狙ってる神様が何か関係あるのかな?
「エミリー嬢に詳しく聞きたいんだが、国王が襲われたのはいつか教えて欲しい、詳しい症状とかわかるなら知りたいんだが」
「知ってる範囲なら構いませんが理由を教えて貰えませんか?」
「俺は現国王の弟だ。流石に兄が危険な目に遭うと聞いてそのまま放置は出来ない」
……………、えっ?
王様の弟?
王弟って事?
「も、申し訳ありません!?知らなかったとはいえ、馴れ馴れしく接するなんて失礼な真似を」
「畏まらないでくれ、偉いのは両親や兄さんであって、今の俺はただの冒険者だ。兄さんのことを教えて貰えるか?」
「はい。王様が襲われたのは私が処刑される数ヶ月前だったので、7年半前ぐらいだった筈です。流石に詳しい日時等は低位貴族の私たちには知らされてませんでしたけど、襲われたってことは、襲撃されてだいぶ経ってから噂で知りました。王様の症状は意識不明で未知の毒に苦しんでたのは確かです」
軽い怪我で済んでたならすぐに話は広がってたんだろうけど、王様はかなりの重症で意識もない状態だったから、周りを不安にさせたり、他国に知られて絶好のチャンスと思われて襲われないように、隠していただろうからかなり後に私たちが知ることになったのは、当たり前なのよね
国王不在で国が荒れるのはいちばん困る
「未知の毒か。それは1番困るな。この世界には毒を消す魔法はない。何の毒かわからない場合、下手に手を出すのは危険だからな。少しでも間違ったことをしたら亡くなることになる。王相手に一か八かなんて出来るわけないから、進んで治療にあたる医者を見つけるのも苦労するはずだ」
そっか………
助ける為だったとはいえ、ミスをして死なせてしまったら医者の責任が大きすぎる
私が生きてる間に、王様の治療に進展があったなんて聞いたことないから、アドバイスも出来ないのよね
「1つ気になるとしたら、エミリー嬢が巻き戻る前の世界にいた僕たちが、今と同じで前世の記憶があったのか気になるね。普通ならこれから起きる未来の事なら、僕たちが前世の記憶があるのが普通だと思うけど、何も罪がないエミリー嬢を見捨てるとは思えない。国王様の事も僕たちが何も出来ずに手をこまねいていたとは思えない。ブラコン気味のベルナールが何もしないのはまず無いよね」
確かに私は8年前に戻っただけで、別の世界に来たわけじゃないから、2人が前の時も前世の記憶があってもおかしくない、2人が知ってるシナリオと全然違うなら不自然に思ってるよね
「2人が知ってる乙女ゲームでは、国王様は襲撃されるって内容はあったんですか?」
「そんなシナリオはない。もしもあったら、俺が知ってるシナリオを頼りに、未来を変える努力をしてる。はぁ~、今日はとんでもない話ばかり聞くことになるな。エミリー嬢が8年前から巻き戻って、兄さんが暗殺されそうになるなんて話を聞くことになるなんて思わなかった。こんなにシナリオが変わってるなんて何が起きてるんだろうな」
そんなにシナリオが変わってるんだ。
乙女ゲームをしてないから、元々のシナリオがどんな内容か全く知らないから判断出来ないな
「ベルナールと僕がこの領地にいることが本来の内容と違うからね。本当なら僕たちとエミリー嬢は王都に居るはずだった」
「そうなんですか?」
「あぁ、ゲームでの俺は兄さんと仲良くなくて、いつも反抗して自分こそが王に相応しいって思ってるキャラなんだよ。魔力が多くて、全属性使えるから天狗になってて、それをヒロインに注意されて、ヒロインに興味を持つようになるみたいだな」
「今とは別人ですね。さっきリシャールさんがブラコンって言ってたから、お兄さんが大好きなんですよね?」
男性でブラコンってあまり聞かないわよね
王様とは歳が離れてるみたいだし、ブラコンって言うよりファザコン?
「ベルナールはかなりのブラコンだよ。もしも乙女ゲームの強制力で王様を敵視したりするようになったら嫌だからって、さっさと王位継承権を放棄して、王都から離れたこの土地で冒険者をしてるぐらいだから、エミリー嬢とあった日も、自分がここに来たから強制力でエミリー嬢がここに来たんじゃないかって嘆いてたもんな。自惚れだよね」
「うるせー。仕方ないだろ。本来なら来るはずのないエミリー嬢がここに来て、転生者ではないみたいだから、ヒロインと関わりを持たせるために強制力が動いたのかも思ったんだよ。俺だって自惚れてるとは思ったけど、ヒロインみたいな女は嫌いなんだよ」
「パトリシアは見た目が良いのに嫌いなんですか?本来の性格ならそこまで性格悪くないんですよね?」
乙女ゲームのヒロインって特殊な内容じゃないなら、いい子で天真爛漫でいい子のはずだよね?
応援ありがとうございます!
2
お気に入りに追加
3,802
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる