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「私も早くダンジョンに行ってみたいな」

「エミリーにはまだ早いな。魔法を自由自在使えるようにならないと、連れて行くのは難しい。ダンジョンは危険な場所だから、油断したらすぐに命とりになる」

「はーい。ダンジョンの魔物はどんなのが出るの?全ての魔物が好戦的なの?」

もしも可愛い魔物がいて、懐っこいなら仲良くしたいかも?

小動物みたいな魔物はいないのかしら?

家ではお母様が動物嫌いだったから、飼うことが出来なかったのよね。

リスやモモンガを飼ってみたいのよね

「エミリーは魔物に興味津々ね。普通は魔物って聞いたら恐怖を感じるものなんだけど?エミリーもロヴァーン家の血を受け継いでるのね」

「確かにフレデリック、シャルル、エミリーの中で1番魔物に対して恐怖心がないのは、エミリーかもしれないな。ダンジョンの魔物は全てが好戦的だな、森にいる魔物は襲ってこないものもいるけどな」

「魔物って動物みたいに飼うことって出来るの?もしも小動物みたいな魔物がいるなら見てみたいです!!」

「小動物?魔物で小さいものは好戦的なものが多いな。ダンジョンや魔物の事を考えたりするのは良いけど、エミリーがこれから1番やらないといけないのは、森の神の所に挨拶しに行かないといけないことだな」

森の神?

森の中に神様がいるの?

「どういう事ですか?森の中に神様が居るなんて聞いたことないですけど? 」
 
「ロヴァーン領には昔っから、新しく住むようになった人や産まれたばかりの赤ん坊が、祠に挨拶しに行くんだ。これからお世話になりますってな。領民は町の中にある祠に挨拶しに行くが、ロヴァーン家のものは森にある祠まで出向くんだ。ミレイユも嫁いだ時に行ったんだよ」

「森の中に祠ですか!?森に入って危険ではないのですか?」

森には魔物がいるのよね?

それなのに戦う力がないものが行くのは危険ではないのかな?

私は魔法が使えるようになったら、大丈夫かもしれないけど、ロヴァーン家では赤ん坊が産まれたら、森にある祠まで行くなんてどう考えても危険行為よね

「それがな不思議な現象が起きるんだよ。町にある祠にこれから森の祠まで挨拶に行きますって祈ったら、町から森の祠までの移動に一切魔物が現れないんだ。帰りも現れないから安心だ。寄り道したら魔物が現れるようになるけどな」

それはすごい

あれ?

じゃあ何で町の人達は森の祠まで行かないのかしら?

安全なら森の祠まで行けばいいのに?

「魔物が出ないなら安全なんですよね?森の中の祠に行くのがロヴァーン家の人だけなのは何故ですか?」

「ロヴァーン家の者が同行しないと、その現象が起きないからだよ。私達も忙しい身だからね、毎回同行する訳にはいかない。昔は半年に1度ロヴァーン家の者が同行して、新しく町の一員になったものを、森の祠まで案内していたことはあるみたいだけど、わざと途中ではぐれて危険な目に遭う者がいたみたいだ」

度胸試しってことかな?

馬鹿な人は何処にでも居るものなのね

多分そう言う行動をするのは、若い人が多いだろうな

若気の至りかな?

「そう言えばロヴァーン領までどれぐらいの距離なんですか?」

「う~ん、早くて半月だな。エミリーは馬車での長距離移動は初めてだよな?エミリーの体調に合わせて移動するから、もっと掛かるもしれないな」

「なんだか付き合わせてごめんなさい」

「大丈夫だよ。久しぶりの旅行だから楽しもう、今日の夜ご飯何か食べたいものはあるかい?」

さっぱりしたものがいいかなぁ

疲れてるせいか、食欲がないんだよね

酸味が強いものが食べたいなぁ

「実際に見ないと何があるかわからないけど、さっぱりしたものが食べたい」

「いいわね~、私もさっぱりしたものがいいかなぁ」

「さっぱりしたものか、何がいいだろうな。今日は次の街で1泊しよっか。そろそろ日が暮れるし、ちょうどいい時間帯だろう」

「いいわねぇ。エミリーとの初旅行だから、今日は奮発してちょっといい宿にしましょうか。」

「それはいいな。ネイヤーにするか?彼処はとても綺麗だし、ご飯も一流だからな、エミリーも満足するだろ」

2人に全て任せてたらどんでもないことになりそう。

ネイヤーって宿は世間知らずの私でも流石に知ってるわ。高級宿で有名だもの。

勿論、料金に見合ったサービスだから、旅行好きの貴族に大人気みたいだけど

「わざわざお金がかかる事をしなくてもいいです。普通の宿でいいよ」

「何言ってるんだ。これから家族になるんだから遠慮はいらないよ。それに我が家は贅沢する時にはドーンって使うんだ、その代わり普段は質素だぞ?金持ちは経済を回すためにも、使う時は躊躇しないで使うものなんだよ」

金持ちは経済を回すためにお金を使うか、

伯父様みたいな考えで、実際にお金を使ってる人ってどれぐらいいるのかしら?

これからは伯父様から色々学びたいわね。


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