私を裏切った相手とは関わるつもりはありません

みちこ

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長かった………

長距離移動がこんなに大変だとは思わなかったわね。

う~、腰が痛い

お婆さんになった気分だわ。

領地まで半月で着くはずが、途中で私が体調を崩して、領地に着いたのは1ヶ月後だった

伯父様達には悪いことしちゃったわね。

領地が心配で早く帰りたかっただろうに、私のペースに合わせていたから、移動に倍の時間がかかった

これなら遠慮して、後から1人で来た方が良かったかしら?

「エミリー、何落ち込んでるんだ?」

「いえ、伯父様達にはこの1ヶ月間、迷惑ばかりかけたなぁって思って」

「迷惑なんかじゃないぞ、エミリーと仲良くなるために、必要な大切な時間だったんだよ。急には無理だろうけど、私とミレイユのことをいつかは、パパママって呼んでくれたら嬉しいな」

「ミカエルったら気が早いんだから、正式にエミリーが私達の娘になるには、1年待たないといけないんだから、エミリーが呼んでくれるのをゆっくり待ちましょ」

えっ!?

正式に養子に行くのに1年はかかるものなの?

書類1枚でパッと養子に行くのが決まると思ってたわ、

伯父様は私の親戚だから、難しいことは1つも無いと思ってた

私は何でそう思ったのかしら?

普通は養子を貰うのは大事な事だから、色々手続きが大変なのは当たり前なのに

「伯父様の養子になるのはそんなに難しいことなんですか?私と伯父様は親戚なんだから。反対されたりするとは思えないんですけど、お父様達が反対してるとかですか?」

「いや、違うよ。確かに弟達はエミリーを養子にやる事を躊躇してるけど、弟の子供の中で1人を養子に貰うことは契約で決まっていたんだ。勿論、他の親戚で周りと比べ物にならないぐらい優秀な者が居るなら、その子になる可能性もあったけど、優先順位は弟の子供であるエミリー達が上だ」

「なら何で?お父様以外で障害になりそうな人が居るとは思えないけど」

「弟とエミリーの間に色々あったのは理解してけるけど、あまり弟を恨まないでやってくれ、今のあいつはまだエミリーに何もしてないだろ?理由がわからずに唯一の娘に嫌われてたら、流石にあいつが可哀想だ。」

「それは分かってるの、だけど心が追いつかないの。私を見殺しにしたのは、今のお父様では無い、だけど本当は私の事を元々好きではなかったんじゃないかって考えちゃうの。だから私のお願いも簡単に反対するんじゃないかって」

「弟も3人の子供のうちでエミリーを養子にやる事が、皆が生き残れる可能性が高いことは分かっている、だけど娘を危険な場所に送り出すのは、気持ちが追いつけないんだ。だから今は頭ごなしに反対してるんだよ。エミリーが嫌いだから、エミリーがしたい事を邪魔してる訳では無い」

でも数年後には私の事を裏切るのよ?

本当に私の事を娘として愛してくれてるなら、あんなに簡単に私の事を見限ったりする?

「伯父様が本気でそう思ってるのは分かってるけど、私はお父様達が私を殺そうとしていたことを覚えてるの。だからお父様達が私の事を愛してるって信じられない」

「あいつが何でそんな行動に出たのかは私には分からない。だけど絶対に何か理由があるはずだ」

「この話はもう辞めましょう。私達がどんなに意見を言い合っても、人が心に思ってる事は分からないわ。エミリーはこれから私達の娘になるんだから、私達がエミリーを娘として可愛がればいいのよ」

「はぁ~、そうだな。話がすごいそれたけど、エミリーが養子になる事が決定するまで1年掛かるのは、この国の法で決まってるんだ」

「この国の法?」  

「昔は書類1枚で簡単に養子に迎える事が出来た。だけどそのせいで色々犯罪が起きていたんだ」

養子に迎える事がどんな犯罪に繋がるのかしら?

子供を恋愛対象にみる人が子供を養子に迎えて、無理やり嫌がることをしてるとか?

う~ん、それぐらいしか思いつかないわね

「どんな犯罪が起きてたの?」

「幼児を恋愛対象に見てるものが、世間体を気にして周りにバレないように幼児を保護してるように見せながら、囲ってたりすることとか、この国では奴隷は禁止してるが、合法的に奴隷の代わりにしてたりしていたみたいだな。子供の売り買いまでしていたみたいだ」

「酷い…………、今ではその子供たちは保護されたんですか?」

「全てではないが保護されてる数の方が多いな。その事があって1年間は養子先に預けて様子を見るんだ。問題なかったら国から養子に迎えることを許可される。養子になっても定期的に視察に来るみたいだけどな。養子先が親戚相手だとだいぶ緩いみたいだけどな」

親戚の子供に酷い扱いはしないだろうって考えなのかもしれないわね、

全く関わりのない相手とか、何人も養子に迎えてる人は要注意なのかな?



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