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僕勘違いをする

部活でかっこいいところを見せる8

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僕はインコースに確かな手応えを感じながらも斎都がアウトコースにも構えたので投げ込んだ。
するとアウトコースにも面白いようにボールが決まった。

『これで僕はこの試合無失点に抑えて、ねるとデートできるな
にやけちゃいそうだ。
ねる僕のかっこいいところ見てるかな?
見てたらきっと僕のことをもっと好きになるだろうな』

僕はちらっとねるを見た。
ねるは熱心に柏木先輩を応援していた。

『まぁいいさ、ねるは僕の勇姿を見ればきっと惚れ直すだろうからね
待ってろよねるボクノスバラシイピッチングを見せてやるからな』

僕はそう思い最後の一球のスライダーをアウトコースにバシンと投げて投球練習は終わった。

勝利を喜ぶ声がベンチから聞こえる。
僕は右を振り向き試合を見ると、一対0で僕の学校が勝ったみたいだ。
柏木先輩は涼しい顔で帰ってきて観客からの声に手を振って応えてる。

『完封勝利したんだ。相変わらずすごいなー、ひかるも目を輝かせてるてるし、でもお兄ちゃんもっと活躍して自慢のお兄ちゃんになるからな、だから見ててくれよ』

僕は最後の一球をインコースにスライダーを投げて、終えた。

すると柏島先輩が鼻歌をを歌いながら来た。
僕の肩をポンポンと叩くと
「期待してるからな、頑張れよ」

僕は任せろとばかりにはいと言った。

「俺昼軽く食べてくるわ、じゃー試合でな」

そう言って柏島先輩は去っていた。

僕たちはその後軽くキャッチボールをして、ブルペンを出て自分のバックが置いてある場所に向かった。

僕は水筒からアクエリを飲んでると、
後ろから肩を叩かれた。

僕は水筒置いて今集中してる途中なんだよ邪魔すんなよと思いながら振り向いた。

そこには笑顔を浮かべたねるがいた。

「チラッと見たよ、球走っていたね」

『マジで見ててくれたの、嬉しいなー
あれだけ柏木先輩に夢中になっていたのに僕を見ててくれたなんてやっぱり僕のこと好きなんだな』

「見ててくれたの、ありがとう
今日いいピッチングができるようにがんばるな」

僕はガーペラのような笑顔で言った。

ねるは芙蓉のような笑顔を浮かべながら、

「頑張ってね応援しとーばい」

長崎方言を可愛らしく使って言った。

『リアルでも方言に萌えるんだ。三次元の方元に初めて萌えた。』

「ねるって長崎出身なのか?」

「そうだよー、なんで分かったの?」

「テレビかなんかで見たことある方言特集がなんか聞いたことある言葉だったから、これから方言で喋ってくれないなんか萌えたから」

ねるは微笑みながらいいよと言った。

『マジでこれからあんな可愛い喋りかたしてくれるのか、もしかして唯一の二次元に叶う三次元じゃないだろうか
まぁー好きなのはいろはだけど』

だんだんねるに惹かれていく気持ちに気づかないふりをしながら僕はぐびっとアクエリを飲んだ。

「僕のピッチング見ててね、ジャクよろしくね。」

ねるは笑顔を浮かべながらうんと言って、お昼を食べに弁当を取りに行った。

『はぁーこの後どうしようかな、斎都でも誘ってベンチ前でキャッチボールでもしようかな。
肩冷やしたくないし』

そんなことを思いながら斎都を探していると一色に会った。

「朝ぶりですね森田先輩、今日は試合頑張ってください応援してますよー」

最後の一言は棒読みで一色は言った。


『棒読みかよ、そこはもじもじしながら頑張ってくださいね森田先輩だろう
やれやれやっぱり二次元には敵わないな』

「森田先輩に二次元には敵わないみたいなこと考えてたでしょ。
表情でバレバレですよ。
私二次元級の可愛さだと思うんですけど」

ウィンクしながら一色は言った。

僕はやれやれと手を広げながら、

「二次元級っていうのは性格も入れてだよ」

『ていうかなんで自分で可愛いって言ってるの?
どんだけ自分に自信があるの
そこはいろはに似ているな』

すると一色はプクーと頬を膨らせながら

「そこは一色も可愛いよですよ、
そんなこと言うからモテないんですよ」

「余計なお世話だわ、僕にはいろはがいるからいいんだよモテなくても」

僕は強がりながら言った。

『本当は二次元級の可愛さを兼ね備えた美少女と付き合いたいんだけど
...ねるとか二次元級じゃないか
すぐに告ろうかな
薔薇色の未来が見える、ねると付き合って笑い合ってる楽しい日々が』

「森田先輩顔がニヤついててきもいですよー」

引きながら一色は言った。

「仕方ないだろねると僕は付き合って、楽しい日々を送る妄想してたんだから」

『いや、ねるは僕のこと好きだから妄想でもないか、告白してこないかな
藍兎くん好きだよって』

「ねる先輩が森田先輩を好きなこと前提なんですね」

一色は呆れた表情を浮かべながら言った。

「そりゃそうだろ、ねるは俺の好きなアニメを知っていたんだ。
マイナーなのに」
僕は胸を張りながら言った。

「それだけで断定したんですか?
呆れを通り越して逆に感心しますよ」

一色ははぁーと溜息を吐いて言った。

「まぁー今日の試合頑張ってくださいね」

「ああ頑張るよ、じゃそろそろキャッチボールしなきゃだから行くね」

僕はそう言うとボールを持ってベンチの前に向かっていった。

ベンチの前に行くと斎都が遅いぞというような顔で待っていた。

「ごめん、待たせたね」

「ああ遅かったぞ、というより一色と藍兎って仲良かったのか?
随分楽しそうに会話してみたいだったけど」

「今日の朝ランニングしてたらたまたま会ってね、それでストレッチを手伝ってもらったりアドバイスをしてもらったりして、少し会話をしたんだ」

『それにしても外から見たらそんなに仲良さそうに見えるのか、一色と意外に相性良かったりしてな』

「ああそういうことか、納得したわ」

疑問が晴れたような表情で斎都は言った。

僕は一色に教えてもらった腕をもっと大きく回して肩甲骨の可動域を広く使いながら投げた。

するとブルペンの時よりも窮屈さを感じないで投げることができた。

僕はこれを意識しながら今日は投げるかと思った。









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