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お盆時期の伝統衛士
14☆異界の道
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「俺、威津那のじーさんに文句言ってくるよ!」
鬱から立ち直った李流と共に中務の宮に宣言する。
薫は祖父のことについて悶々として父に聞いても詳しくはわからないようだったというか『正直興味ない』だった。
小さい頃から、イジメられて、命懸けの対決して勝った……
その後、神として封じた。
正直その程度しか接点のない威津那に本当に今更興味がなかった。
そういうところのある父である。
香茂の祖父や祖母の方がよく知っていて、いろいろ話を聞いて、改めて先日の出来事に文句をどうしても言いたくなっただけだが……
「眠る御霊の威津那に会えるのかい?」
中務の宮は興味深々だった。
「頻繁に会えるわけでは無いのですが…幼い頃何度か迷子になって助けてもらったこともあったので……」
記憶も曖昧な幼い頃のことを思い出しながら計画を伝える。
「頻繁に会えるわけではなく、迷子になったら現世に帰ることが難しい異界なのでジジ様に行くなと言われてて……でも、夢で会うならそういう心配がなく、夢見の李流もいれば確実に夢の中に乗り込めると思うんです」
薫は自信はないが断言する。
反魂香の事件のとき夢の中に入って助けてくれたのは李流だ。
心が落ち着くまで待とうと思って一週間経ってしまったが、薫の悶々とした怒りは未だにある。
野薔薇もいれば夢でなく異界の阿倍野屋敷に行けるかもしれないが、血の穢れと物忌中なので宮中に出仕を一ヶ月お休みだ。
宮中では無いからと体が辛いのに無理やり連れ出すことはしたく無い。
「私も一緒に見守った方がいいのか?」
瑠香は心配そうに問うた。
「李流を眠らせるために親父は必要だから来てほしい…です」
正確に威津那の眠る異界に行く方法を薫はわかっているわけではないのでできる限りの方法を使いたい。
「薫って、やっぱり陰陽師の血筋が強いのかな…そういう理を疑わず信じることができるなんてすごいな…」
李流は感嘆する。
李流には考えつかない事だからだ。
「狐の半妖だからだよ…なんとなく感でわかる感じだ。」
薫は頭をかいて己の計画が無いようで確信している方法に改めて気づき頭を書く。
「阿倍野家の血筋の唯一の狐の妖だから。私も狐になりたかったな……」
晴房は薫の頭をポンポンと撫でながら両手で薫の狐の耳をもふもふして弄ぶ。
「いつかハル様にも耳と尻尾生えるかもしれないぞ。」
「ふむ。それは楽しみだ!」
晴房はニコニコして本気で自分の体の変化に楽しみに感じていることに、心が読める瑠香と薫は苦笑した。
陰陽寮から秘密の異界の抜け道で香茂屋敷に早速出向いた。
見えない壁で細く暗闇の真っ直ぐの道を縦に後ろ手に手を繋いで降るように歩く。
「あのさ、この異界自体威津那の異界と繋がってたりしないかな?」
こっそりついてきていらした中務の宮はワクワクな雰囲気でそう仰る。
「さぁ…八尾比丘尼殿にお尋ねになりますか?」
瑠香は意地悪に口の端をわざとあげて進言した。
「彼女にこっそり会ったら春子に口聞いてもらえなりそうで怖いからいいや。春子と一緒の時よろしく頼むよ」
「そうですね」
なんとなく当時のことが懐かしくなり冗談めかす大人たちに李流と薫は首を傾げるがその謎めいた話を詳しく後で聞くことにした。
鬱から立ち直った李流と共に中務の宮に宣言する。
薫は祖父のことについて悶々として父に聞いても詳しくはわからないようだったというか『正直興味ない』だった。
小さい頃から、イジメられて、命懸けの対決して勝った……
その後、神として封じた。
正直その程度しか接点のない威津那に本当に今更興味がなかった。
そういうところのある父である。
香茂の祖父や祖母の方がよく知っていて、いろいろ話を聞いて、改めて先日の出来事に文句をどうしても言いたくなっただけだが……
「眠る御霊の威津那に会えるのかい?」
中務の宮は興味深々だった。
「頻繁に会えるわけでは無いのですが…幼い頃何度か迷子になって助けてもらったこともあったので……」
記憶も曖昧な幼い頃のことを思い出しながら計画を伝える。
「頻繁に会えるわけではなく、迷子になったら現世に帰ることが難しい異界なのでジジ様に行くなと言われてて……でも、夢で会うならそういう心配がなく、夢見の李流もいれば確実に夢の中に乗り込めると思うんです」
薫は自信はないが断言する。
反魂香の事件のとき夢の中に入って助けてくれたのは李流だ。
心が落ち着くまで待とうと思って一週間経ってしまったが、薫の悶々とした怒りは未だにある。
野薔薇もいれば夢でなく異界の阿倍野屋敷に行けるかもしれないが、血の穢れと物忌中なので宮中に出仕を一ヶ月お休みだ。
宮中では無いからと体が辛いのに無理やり連れ出すことはしたく無い。
「私も一緒に見守った方がいいのか?」
瑠香は心配そうに問うた。
「李流を眠らせるために親父は必要だから来てほしい…です」
正確に威津那の眠る異界に行く方法を薫はわかっているわけではないのでできる限りの方法を使いたい。
「薫って、やっぱり陰陽師の血筋が強いのかな…そういう理を疑わず信じることができるなんてすごいな…」
李流は感嘆する。
李流には考えつかない事だからだ。
「狐の半妖だからだよ…なんとなく感でわかる感じだ。」
薫は頭をかいて己の計画が無いようで確信している方法に改めて気づき頭を書く。
「阿倍野家の血筋の唯一の狐の妖だから。私も狐になりたかったな……」
晴房は薫の頭をポンポンと撫でながら両手で薫の狐の耳をもふもふして弄ぶ。
「いつかハル様にも耳と尻尾生えるかもしれないぞ。」
「ふむ。それは楽しみだ!」
晴房はニコニコして本気で自分の体の変化に楽しみに感じていることに、心が読める瑠香と薫は苦笑した。
陰陽寮から秘密の異界の抜け道で香茂屋敷に早速出向いた。
見えない壁で細く暗闇の真っ直ぐの道を縦に後ろ手に手を繋いで降るように歩く。
「あのさ、この異界自体威津那の異界と繋がってたりしないかな?」
こっそりついてきていらした中務の宮はワクワクな雰囲気でそう仰る。
「さぁ…八尾比丘尼殿にお尋ねになりますか?」
瑠香は意地悪に口の端をわざとあげて進言した。
「彼女にこっそり会ったら春子に口聞いてもらえなりそうで怖いからいいや。春子と一緒の時よろしく頼むよ」
「そうですね」
なんとなく当時のことが懐かしくなり冗談めかす大人たちに李流と薫は首を傾げるがその謎めいた話を詳しく後で聞くことにした。
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