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レスだった私は異世界で快楽漬けの日々を送った結果子供を授かりました。

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「あ…これが私の赤ちゃん…」

テニスボールサイズの薄く発光する乳白色の卵。
手のひらに乗せると暖かくて、愛おしい気持ちが溢れてくる。

「卵の殻に見えるのは、魔力のない人でも可視出来るほどに濃縮された魔力だよ。中の赤ちゃんはまだ豆粒くらいかな~。これから赤ちゃんが大きくなるにしたがって魔力の殻は薄くなって、全てが体内に吸収されたら産声を上げてくれるよ。その日が誕生日」

ほうほう。産卵した日が誕生日じゃないのね。

イき地獄に気を失って、目が覚めてからはさっそく卵を抱いて赤ちゃんの事を色々聞きまくってます。
鳥の卵と違って温める必要は無いらしいんだけどね。

産んだ卵は保卵器と言う他からの魔力への干渉を遮断する透明な箱に入れられて産声を上げるのを待つらしい。
あとは時々父親が軽く魔力を注いであげると発育が良くなるとか言われてるって。この辺は保卵器が無かった時代の慣習らしく、本当必要ないらしいんだけど1日1回は出して撫でてあげたいのでお願いする事にした。

そしてそんな事を相談していたら、なんとトワが保卵器が置いてある部屋ごと家族以外の魔力が干渉出来ないようにしてくれた。
よく分からない仕事をしていると思っていたトワは、魔導具のプログラミングみたいな事をする人で保卵器に別の魔導具を取り付ける事で効果を部屋全体まで拡げたとかなんとか。

そんなこんなで赤ちゃんに会えるのが楽しみだな~なんて思っていたのもつかの間…。
1ヶ月もたたないうちにまた妊娠して、結局一人目の子が産声を上げるまでに卵が3個も産まれてしまった。

そして赤ちゃんなんだけど…。

「だーうっ…うう~」

「いや~可愛い~お喋りしてるの~?うちの子天才すぎ~!」

びっくりな事に生まれた時から首が座っていて寝返りも余裕。
1ヶ月くらいでお座りしてだーだーと意味のありそうで無さそうなお喋りをしちゃってる。
というか、あと3ヶ月もすれば歩けるようになって二語文も話せるようになるとか。
異世界って発育早い!
そして悲しい事に幼いうちの子供は父親以外の接触を嫌がる。
なんでも魔力の波長が合う人以外は不快に感じるらしい。
うう…母親の立場~!!

そんなわけで魔力診断する前から子供の父親はカナメさんと判明。
嬉しいんだけどね。抱けないのが悲しい。

こっちの世界の母親は産んだ卵にも生まれた子供にも基本興味が無いから、拒絶されて悲しむ私を見て皆オロオロしちゃってる。ごめんね。

それでもめげずに1日1回は顔を出して、遠くから「ママだよ~!大好きだよ~!」と呼びかけてる。
顔だけでも覚えてね!

結局一人目を抱き締められるまで、1年も掛かってしまう事になるんだけど…。

その後も夫達とはず~っと仲良しで、晩年まで情熱的に私を愛してくれた。
沢山の子供達にも恵まれて、こんなに幸せでいいのかと訳もなく泣けてくる日もあるくらいに幸せで…。


「女神様、泉の精霊様、ありがとうございます」


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