【完結】逃げる男と追う男

後話】潜む影

【１】

簡単だと思ったんだよなぁ……。

探偵助手兼アイドルのエドくん、初仕事を頂きましたぁ～。
うふふ、タクから「任せる」の一言を貰ったお仕事ですよ。
もう、ワクワクが止まりません。

なにより『自称』からの脱却でございます。

「探偵助手兼アイドル」です。名刺作っちゃおうかなぁ～。

座敷で構ってくれないから、不貞腐れてゴロゴロしてたら、さっきまで事務仕事してたタクがやってきて一言。
「エド、頼まれてくれ」ですよ。
だから、内容そこそこにウンウン頷いちゃうでしょ？

「ミケっていう猫を探して欲しい。ご近所猫なんだが、ここ数日帰ってないらしくて。頼まれたが、俺はこれから市内だから、帰ってきてから手をつけたんじゃ手遅れになりかねん」

立板に水で経緯現状説明。
オレは半分も聞いちゃいないが。
ミケ猫ね。
ご近所猫さんならよく知ってる。
仲良しさんもいるから楽勝ですよ。
重要なのは、タクに頼まれ事されたって事ですよぉ～。

クルクル踊りながら、「任せろ～」と言ってやったね。

タクが車で出掛けて行ったけど、何処行くんだろう…？

そうそう、『ミケ猫さん』
ミケ猫さん…。
ーーーーーご近所にミケ猫っていたか？

ブチ猫さんとはお友達だよ。

あ、ちなみに、タクはね。くふふ…猫さんたちに嫌われてるの。本人結構気にしてるけど仕方がないよ。大きなオオカミさんだもんね。

ちょっとでも近づくとシャーって威嚇されてるの。
シャーって威嚇してくれる子はいいよ。大半が陰に隠れちゃってるんだよね。

昔は撫でさせてくれてたとか言ってたけど、知らんがな。

子供たちはね、ご近所猫さんとは大の仲良し。犬さんもね。小さい頃から接してるから大丈夫みたいなんだよね。
一緒に泥んこで遊んでたもんね。
タクさんは、猫さんたちには嫌われちゃってるの。かわいそうぉ～。ダメみたいですね。

でも、迷子ネコさんは時間が経てば経つ程帰るのが難しくなるって心配してたから、猫さんの事を嫌わずにいてくれてるんだよね。

頭を掻き回しながら話してたタクを思い出して、会いたくなっちゃった。

どこ行っちゃんだろ…。

ミケ猫…、ミケ？
ミ…
みーちゃんなら知ってる。
でも、彼女はまだらと言うか、サビ猫さんだ。

ご近所猫さんに新顔？
んー、ここは、聴き込みからですね！

黒のロングパーカーを羽織ると軽やかに外に出た。
きちんとフードを被るのを忘れない。
今日は日向ぼっこ日和の陽気だ。




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後日談のミニ連載です。

不定期になりそうなので、『お気に入り』に登録か『しおり』をして頂くといいかも(￣▽￣;)

よろしくお願いします。