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後話】潜む影
【2】
しおりを挟むさて、聴き込みというのはどうしたらいいのだろう。
おばあちゃんたちは、いつもの井戸端会議の場所にいない。
じいちゃんたちの世話が忙しいのか、何かの催し物でもあるんだろうか。
人の集会の開催はもう少し後のようだ。
では、ここしかないな。
ここは猫の集会場。
日向ぼっこの最中であります。
「お前らに訊きたい事があるぞ」
仁王立ちで腰に手を置き、身体をおおきく見せる。
宣言はしてみたが、誰一人振り返りもせず各々のスタイルで陽光を浴びて、毛繕いをしている。
いつもなら『なんぞや?』とこちらを見てくれるのに。どうしたのだ?
『たのもぉ~』ともう一度声をと思ったが、違和感に首を傾げた。
メンバーが違う?
減ってる?
???
おー! ブチ猫さんは? 白地に黒のブチ猫さん。セツさんところの猫さん。オレのお友だち。
辺りを見渡してもガラ違いが居ても彼がいない。
日当たりのいい特等席に居るのは、いつもは隅っこのかろうじて陽の当たるところでいる猫さんが伸びてる。
なんて事だ!
ここの勢力図が書き変わってるッ。
最近、何かがあったんだ。
あの特等席に居た猫さんが暫く帰ってこない事を知ってるから、古参の彼が居座ってる。
足元に顔見知りの猫さんがすり寄ってきた。
しっぽをピンと立てて、ご挨拶してくれる。
いつもはこんな事はしないのだが、仕方がない。
足元の黒猫さんを抱き上げる。
金の目をじっと見る。
目の奥の光を探る。
この水晶体に映ったものを見せて貰った。
日常は飛ばす。
遡り、ここで起きた顛末を見た。
ーーーーーコイツか。
そっと下ろして、背中をゆるりと撫でた。
ばあちゃん達の行き先も大体分かった。
大変だな。
あ、ミケ猫さんだった。
黒猫さんに尋ねようとしたら、するりと手を抜けて向こうへ行ってしまった。
あの大きな猫さんは、ミケ猫さんだが、あれが迷い猫?
よく分からん。
ミケ猫さんの性別聞いてなかったかな?
ミケ猫だから、多分オスだな。
あー、どこの子だったんだろう。
タクにもう一度訊くか?
そんな事したら、任せてくれたのに、失望させちゃう。
オレ、ちゃんとできるモン!
ご近所猫さんって事だったのに、あの猫知らないぞ?
困ったなぁ…。
あのざっくりした説明は、オレがご近所猫さんの事よく知ってるからの説明だと思う。
もう少しちゃんと聞いとけば良かった…。
しゃがみ込んんで、猫たちと一緒に日向ぼっこ。
背中にポカポカ陽を浴びながら、膝に肘をついて顎を手の上に置いて、ぼんやりしていた。
ん?
あれは、コサブロウじゃないか。
口に何を咥えてるんだ?
何処かに運んでる?
!
これは、尾行だ!
おお! なんか探偵ぽくなってきたぞぉ~。
==========
追うエドくんですw
こういうのは流行んないかな?(^◇^;)
ミニ連載だからいいよね?
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